導入
皆様、お疲れ様です。
みなさんは、7月に放送されたバンナムサウンドチームがお送りする『SOUNDS ON!』第01回、ご覧になったでしょうか。
おそらく見ていない方が大半だと思うので*1 簡単に説明すると、バンナムのサウンドチームにインタビューを行って楽曲やゲームについて深堀していくといった企画動画です。その第1回に太鼓の達人からマスブチさんとsteµさんが出演しお話をしてくださいました。
番組内では作曲や太鼓の達人のゲームシステムについてなど興味深い話が多々ありましたが、今回注目するのはsteµさんが作譜を担当した譜面についてです。steµさんが太鼓の達人のサウンドにおけるこだわりを話した流れで公開されました。
まずはこちらの画像をご覧ください。
「Dogbite」や「4+1のそれぞれの未来」など、企画で何度か譜面を作っていることは知っていましたが、まさかこれだけの数があるとは。予想外でした。
そこで、今回は判明した譜面のこだわりポイントを見つけつつ、steµさんの譜面制作の「癖」を探っていきたいと思います。
目次
譜面へのこだわりを探る
steµさんは太鼓の達人シリーズを楽しんでもらうことをスタッフ全体で見てもかなり考えていることが複数のインタビュー記事から見て取れます。
その思いからでしょう、彼の制作譜面はどれも工夫が見られます。
彼の担当した譜面をじっくり眺めた結果、いくつかの共通した特徴が見つかったため、括りごとに紹介していきたいと思います。
1:曲の要素を譜面に落とし込む
一つ目の特徴として、曲と譜面を小ネタで結びつけるというものがあります。そのやり方はコンボ数合わせ、歌詞合わせ、配置、引用など様々です。確認していきましょう。
コンボ数合わせ
ごまかしと猫サンキューが該当します。
以前書いた記事「コンボ数に意味のある譜面集」でも触れましたが、その中にsteµさんの担当した譜面が存在したため再度取り上げていきます。
ついでに興味のある方はこちらの記事もどうぞ(宣伝)
【譜面ジャーのこだわり】コンボ数に意味のある譜面集 - scroll_mika3946の日記
ごまかしのコンボ数はかんたんが73コンボ、ふつうが168コンボ、むずかしいが283コンボ、おにが395コンボで、それぞれ作品内に登場する「七海やちよ」、「環いろは」、「マギウスの翼」、「柊桜子」の語呂合わせではないかと推測されています。
猫サンキューはかんたんが139コンボ、ふつうが239コンボ、むずかしいが392コンボ、おにが639コンボと全難易度でサンキューの語呂合わせがされています。
おに譜面だけに限らず、全難易度でコンボネタを仕込む徹底ぶりが伺えます。
歌詞合わせ
一言に歌詞合わせと言っても、配置による歌詞再現と文字による歌詞合わせが存在します。
まず配置による歌詞再現です。これには
- 1・2・3(After the Rain版)
- 猫サンキュー
- Taiko Drum Monster
- 青天の黎明
- パン vs ごはん!大決戦!
- こ・き・く・くる・くる・くれ・こ!
- 4+1のそれぞれの未来
- 1・2・さんしのでドンドカッカッ!
の8譜面が該当します。
まず1・2・3(After the Rain版)とTaiko Drum Monsterについてです。2個同時に説明するのは、手法が似ているからです。 どちらも歌詞に登場する数字に合わせており、1・2・3は大音符の数で、Taiko Drum Monsterは風船の打数で揃えています。
「1 バトルをしたなら 2 笑うか泣いたって 3で仲間になろうよ」の部分です。
サビ前の「one! two! three!」の部分です。
風船の打数が1打ずつ多いのは「怪獣少女は火を吹かない(裏譜面)」などを見れば分かるように、風船音符は叩いた瞬間に1打消費されてしまうので、風船を割るまでに見える残り打数で合わせているからです。*2
次に猫サンキューです。またお前か 合わせている部分はサビの「ネコネコネコ猫サンキュー!」の部分です。
48小節、56小節に注目してください。
「サンキュー」に合わせて縁16分3打+9打の風船連打が流れていることが分かると思います。
青天の黎明はギミックによる再現になっており、歌詞の「太陽が逆光で隠した」の部分で、ソフランで縁音符を遅く流れるようにすることで直前の連打で隠れるようにしています。
これに関しては実際に動画で確かめて確認した方が分かりやすいと思います。気になった方はYouTubeで確認してください。
ついでに、黎明の歌詞についてはナムオリDJ MIX #7 高速コアコレクションにて大半が確認できるため、そちらも是非ご覧ください。ナムオリDJはいいぞ。
パン vs ごはん!大決戦!は表譜面についてです。歌詞に登場する「ごはん」をドンで、「パン」をカッで合わせています。
話は逸れますが、表と裏を同時に演奏し、両者ともに普通譜面を選択すると、パン派とごはん派で譜面が掛け合いのようになっているほか、コンボ数と連打の秒数が揃えられているので、スコアを競うことでパン派とごはん派の戦いを楽しめます。
こ・き・く・くる・くる・くれ・こ!は配色による再現となっています。
48、49小節はサビの「から紅の心抱いて」に当たる部分ですが、歌詞をなぞるようにドンだけで音符が配置されています。
また最後には「花火」と言う歌詞がありますが、一瞬だけゴーゴータイムとなり、譜面上でも花火が上がります。
steµさんの歌詞合わせの方法はまだまだあります。4+1のそれぞれの未来ではかんたん~おにまで全難易度を利用した歌詞合わせがされています。
3回ある初音ミクが合唱初音ミクの激唱みたいするパートはかんたんから順に風船を割っていきます。「かんたんな未来も~」から始まるパートではそれぞれの難易度のパートがそれより上の難易度でも共通して使われています。これ歌詞合わせか?
YouTubeに全難易度同時再生の動画が上がっているので、そちらを見たら分かりやすいと思います。綺麗に揃っていて気持ちいいです。
1・2・さんしのでドンドカッカッ!は歌詞のままなので分かりやすいです。
歌詞の「ドンドカッカッ!」や「ドンドンカカカ」(36小節)に合わせてそのままの配置が使われています。
これは考えすぎかもしれませんが、25小節目のドン カッ(大)は家庭用のコントローラーやタタコンを考慮すると、ドンを片手すなわち1本のバチ、カッ(大)を両手すなわち2本のバチで叩くので「わん・つー」の部分も再現している可能性があるほか、「鼓動止まらないから」の部分を叩き続ける黄色連打によって再現している可能性もあると思います。
続いて、文字による歌詞合わせです。これは譜面とともに流れる文字によって歌詞を再現するという手法です。マスブチさんが作譜したvoid setupが有名です。steµさんの譜面では
- もしもし神様
- 1・2・さんしのでドンドカッカッ!
- 4+1のそれぞれの未来
に使われています。もしもし神様は「どこか」、ドンドカッカッ!は「こどう」、4+1は「どこに」と「この先の」で文字合わせがあります。
「コ」が独立して配置されていると、何とも言えない面白さがあります。
譜面の工夫で要素を落とし込む
歌詞合わせだけで結構な長さになってしまいましたが、続いて配置などの工夫で曲の要素を落とし込むパターンになります。
- ANiMA
- こ・き・く・くる・くる・くれ・こ!
- 幕末維新譚
- チキンレース
- GO ON ~未来へ~
について順に説明していきます。
まずANiMAですが、こちらは元々収録されている音ゲー「Deemo」の音符配置をかなり忠実に再現しており、原作をプレイしていると分かる配置があると思います。
このような原作の配置を意識した譜面はsteµさんの譜面以外にもミュージック・リボルバー(表)、EXTREME MGG★★★(表)(この2つはミュージックガンガンの譜面から)、初音ミクの激唱(表)(初音ミクDIVA2nd)、スプラトゥーン2 メドレー(表)(イカラジオ)などがあります。
頻出する大音符はDeemo内で同時押しを求められる部分に多く配置されており、3種類の音符しかない太鼓の達人において同時押しを想起させる上手い大音符の使い方となっています。
そういえばANiMAの大音符を同時押しと捉えるならば、先ほどのドンドカッカの説をある意味補強できますね。
こ・き・く・くる・くる・くれ・こ!には3連続で風船が流れる部分がありますが、打数が順に5打、7打、5打となっていて、俳句の575を意識したものだと考えられます。
余談ですが、俳句をテーマにした楽曲Many wow bang!の裏譜面にも16分5打、7打、5打による575配置があります。
次に幕末維新譚ですが、こちらは要素が多すぎるため譜面は貼らずに列挙するだけにしておきます。
まず序盤には2打~15打まで1打ずつ増えていく風船がありますが、これは徳川幕府が15代まで続いたことに因んでいると考えられます。
また、第六天魔王にあったようなドンとカツを配置する数で年号を再現する小ネタが曲中にいくつも仕込まれており、具体的には
3~4小節 : 1603 江戸幕府創設
6~8小節 : 1639 鎖国
11~12小節 : 1687 生類憐れみの令
15~16小節 : 1716 享保の改革
19~20小節 : 1787 寛政の改革
24小節 : 1830 天保の改革
27~28小節 : 1853,1854 黒船来航(縁3打の後に4打を置くことで2つの年号を再現)
30~32小節 : 1858 日米修好通商条約
33~34小節 : 1864 禁門の変
43~44小節 : 1866 薩長同盟
75~76小節 : 1867 大政奉還
141~142小節 : 1868 明治に改元
となっています。 また最大コンボ数の1109は大政奉還のあった日付である11月9日に由来しているとも考えられます。
幕末維新譚は江戸幕府誕生~幕末までをモチーフとしている*3ので、それに合わせて江戸時代の出来事をありったけ詰め込んだ感じでしょうか。
チキンレース(表)、GO ON ~未来へ~は序盤に小節線ギミックがあります。*4 例によって気になった方はYouTubeへGOしてください。
チキンレースはドンドン加速していくことでレース中の加速を、GO ONは速すぎて逆行しているようにも見えるため、タイムトラベル感を演出していると考えられます。
チキンレースの裏譜面には連打の後すぐに大音符が配置されており、大音符を叩き間違えると連打だらけの玄人譜面に落とされてしまいます。
点数を稼ぐためにギリギリまで連打をしたいですが、そうすると大音符を叩き間違えるかもしれません。 どこまで連打をできるかという「チキンレース」が上手いこと譜面内で繰り広げられています。
譜面引用
関連している楽曲の譜面を引用するパターンです。
- poxei♦DOON
- 幕末維新譚
- 4+1のそれぞれの未来
- GO ON ~未来へ~
が該当します。
ギリシャ神話で、ポセイドンとアムピトリーテーは夫婦関係にある海の神様であり、poxei♦DOONにもアムピト♢リーテーを意識したメロディが流れる箇所があります。縁の2打が流れる部分ですね。
この後にアムピトリーテーの引用があります。
上がpoxei♦DOON、下がアムピト♢リーテーです。
幕末維新譚には、前作である天下統一録と第六天魔王の譜面が続けて引用されています。
1行目が天下統一録、2行目が第六天魔王の引用です。
4+1のそれぞれの未来は序盤のタイコロールの歌詞を引用している部分でタイコロールの譜面を、GO ON ~未来へ~は太鼓 de タイムトラベル企画の楽曲のメドレーとなっており、最後の轟け!太鼓の達人のパートで原曲の該当する部分が引用されています。
タイコロールの89、90小節を省略した形で引用されています。
2:精密な音取り
2つ目の特徴として、精密な音取りが挙げられます。具体的には
- もぺもぺ
- カラフル
- Dragoon
- UFO Swingin'
- ラパスの虹
- 彁
- 青天の黎明
- Don't Stop the Game
- poxei♦DOON
- What's in the box?
- テトラリュトモスフォビア
が該当します。
Dragoonは印象的なフレンチコアのキックに、poxei♦DOONはBPM310地帯のメロディに合わせたドンの配置が打音を聞くだけでも気持ちが良いです。
ただ音を丁寧に拾うだけでなく、これまでの太鼓の達人には無かったような配置が多く見られます。
番組内では「新しいリズムをどんどん知っていってもらいたい」と語っていましたが、それに恥じないような音取りです。
3:逆に音取「らない」
音取り譜面だけでなく、曲に無いリズムを新たに譜面として作り出す、いわゆる太鼓の音も曲の一部のように使う譜面もお手の物です。
ゴッドソング(裏)やラ・モレーナ・クモナイ(裏)などが該当します。曲に合わせた方が気持ちがいい部分はしっかりと音取りされているので、「それをやるならここを拾ってくれよ!」とならないのも絶妙です。
4:ギミックで遊び倒す
青天の黎明やチキンレースでも少し触れたように、steµさんの譜面にはギミックが使われている譜面も多く存在します。 この2曲の他にも
- もぺもぺ
- Dogbite
- うちゅうひこうし冒険譚
- 彁
が該当します。 Dogbiteは飛び交う連打や短いゴーゴータイムが猛犬が抑えきれず暴れているような印象を与え、うちゅうひこうし冒険譚は音符1つ1つにソフランがかけられた地帯があり、音符が宇宙を漂っているかのようです。
やはりギミック譜面の中でもひときわ異彩を放つのはもぺもぺと彁の2つでしょう。奇しくもどちらもLeaFさんの楽曲です。
彁はスクロール速度を変化させることで様々なテンポの音が同時に鳴っていることを視覚的に理解しやすくしています。等速の方が見やすいですが、複雑なリズムの「どこを叩いているのか」を重視した譜面であると言えます。
もぺもぺは太鼓の達人で当時出来たギミックをありったけ詰め込んだような譜面となっています。最初は平穏な配置からはじまりますが、高速の小節線ギミックと疑似停止で不穏感を煽ります。
流れ去る複数の小節線とソフランの連打はMV中のノイズが走って状況が一転する様を参考にしているように見えます。
ラスサビの音符が伸びているような配置は、MVの手が伸びている様を参考にしているようにも見えるほか、伸びる前の配置は最初のスカスカな配置と共通しており、楽曲がその本性を現したことを譜面でも再現しているのかと思われます。
こちらも気になった方はYouTubeや実際にゲームセンターで確認してみてください。動画とブログは相性が悪いです。もぺもぺの譜面とMVを照らし合わせてみるのも面白いかもしれません。あ、MVの視聴は自己責任でお願いしますね。
作譜の「癖」を探る
ここからはsteµさんの譜面の中でよく見られる、言わば癖のようなものを探していきます。 やはり同じ人間が作ったということがよく分かるような配置が見られました。
1:曲中であべこべの配置を使う
1つ目の特徴は、曲中であべこべの配置を使うことです。 どういうことなのか分かりにくいと思うので、例としてポセイドンの譜面をどうぞ。
50小節の配置を境目として、譜面の配色がそのままあべこべになっていることが分かると思います。 このような配置がsteµさんの譜面の中にはいくつか見られ、他にも
- Prism Melody
- 4+1のそれぞれの未来
- ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ
- Undying Legend
- せかいのおと - sekai note -
- ユースフルコースター
- poxei♦DOON
- UFO Swingin'
- ドドドドドンだフル!(裏)
があります。
2:連打3連発
そのままの意味です。使われている譜面は多く、
- ゴッドソング(表譜面/裏譜面)
- Dogbite
- Taiko Drum Monster
- 青天の黎明
- Toon Town's Toys' Tune
- こ・き・く・くる・くる・くれ・こ!
- 1・2・さんしのでドンドカッカッ!
で確認できました。
3連発が特徴よりかは、連打をメロディ合わせに効果的に使っているという方が正しいかもしれません。
DragoonやPHOENIX*5のメロディ合わせの連打を叩いていて気持ちいいと感じたドンだーも多いのでは。
他にも短連打を通常の音符のように配置するような譜面が多く、もぺもぺ、カラフル、ユースフルコースター、UFO Swingin'、ラ・モレーナ・クモナイ(裏)、ドドドドドンだフル!(裏)あたりは分かりやすいでしょうか。
3:近い配置を少し変化させて使う「ゲーム的配置」
これは画像が無いと何を言っているのか全く分からないと思います。公式がかつてHARDCOREノ心得の譜面について解説したときの画像が分かりやすいです。*6
これは万戈イム-一ノ十の終盤に見られる配置です。縁までの配色はその手前も含めて共通していますが、上では8分間隔、下では16分間隔で縁が配置されており、それまでのパターン通りに叩いていると崩されてしまいます。 HARDCOREノ心得の譜面製作者であるえむけぴさんはブログ内でこれを「ゲーム的配置」と呼んでいました。 この言葉は「音楽的配置」の対になる言葉として太鼓の達人公式ブログでは何度か登場しています。
音ゲーの譜面というのはメインメロディやボーカル、楽器隊を拾うのがセオリーであり、いわゆる「音楽的配置」と呼ばれるものです。しかしそれだけでは「正しい」譜面が出来ても「楽しい」譜面かは保証できません。 ただ音に合っているだけでは平均的な譜面しかできないということですね。
そこで生きるのが「ゲーム的配置」です。気持ちよさをあげるため、難易度をあげるため、さまざまな理由で音としては正解でなくても、配置を弄った譜面が太鼓の達人には多く存在します。 今まで紹介してきたギミックなんかも「ゲーム的配置」と言えると思います。 HARDCOREで言うとサビのここです。
実際にsteµさんが作った譜面に話を戻すと、ここで説明したようなゲーム的配置を使っている譜面には
- Taiko Drum Monster
- Toon Town's Toys' Tune
- うちゅうひこうし冒険譚
- ラ・モレーナ・クモナイ(裏)
- テトラリュトモスフォビア
- Amber Light
があります。 ざっとまとめて見てみましょう。
極めつけはやはりテトラリュトモスフォビアでしょう。カドドドカカドンが色々な音符間隔で姿を見せます。
Taiko Drum Monsterはここで紹介している要素のほとんどに登場しますね。おそらく初制作譜面なだけあってかなりの気合が入っていることが伺えます。
他にも、近い配置で音符数を増やしたゲーム的配置も存在します。
ゴッドソング(裏)が分かりやすいです。
共通した配置が多くパターンで叩けると思わせて、後半では一部が24分に置き換わっており、油断させない配置となっています。 ゴッドソング(裏)にはこのような配置が他にもいくつかあります。プレイしながら探してみては。
ユースフルコースター、ANiMAなどには配置は同じでも縁や面の数が増えていく、いわゆる「られへろ配置」*7が見られます。昔からの王道なゲーム的配置もバッチリ抑えています。
4:実は...
幕末維新譚、ぺた・PETA!?パンプキン、ラパスの虹、彁と、20分音符が存在している譜面は現状全てsteµさんが譜面を担当しています。
パラレルロリポップはどうなのか?と思った方もいるかもしれませんが、あれは4分の5拍子を利用することで20分のように見せている楽曲なので判定上セーフです。
おまけ:steμ譜面っぽい譜面を予想する
最後に、steµさんが作譜を担当していそうなものを予想していこうと思います。
BATTLE NO.1
全体的な24分2打の使い方のDon't Stop the Game感、三通りの譜面を自由に選べるギミック面、Kobaryoさんのパートにゴッドソング裏のようなゲーム的配置があるという3点で予想しました。
Challengers
「20分が入っている譜面は全部steμ譜面」の傾向にのっとって予想しました。
音楽に詳しくないとこの曲の譜面は作れないのではないでしょうか。
類を見ない音符間隔を容赦なく取り込みつつ、配色を単純にして難易度を調整している絶妙な難易度加減も斬新な音取り譜面を数多く作ってきた彼だからこそ為せる技ではないかと感じます。
希望へのメロディー(裏)
ゴーゴータイムなどは音を取っていませんが、曲に馴染んでいるのが上手いと感じたので。エトウさんとかの可能性もあるかも? 曲に合わせた風船3連続がそれっぽい。
ウィーアー!(裏)
こちらも音取らない譜面だけどしっかり馴染んでいる点で推測。
あべこべ配色を使った複合やメロディー合わせの連打など、彼っぽさを感じる配置も多いです。
SUPERNOVA(表・裏)
表譜面はキック音を丁寧に拾った基礎的な配置がDragoonを思わせるほか、ドロップ部分の24分を多用する面はDogbite味を感じました。
裏譜面は歴代玄人の譜面を引用する発想や短連打を音符の一種と見立てたような配置がsteμさんらしいと感じました。
Doppelgengars
もぺもぺに似たソフランのギミック、彁のようなソフランに乗せた前半のゴーゴーなど。
六本の薔薇と采の歌
steμ氏がホロライブに書き下ろした楽曲です。 ホロGGWの太鼓の達人大会で選ばれた課題曲の引用があるほか、表のコンボ数は大会開催日の5月8日であったり、ソフランの速度が大会に関連していたりなど、その拘りはかなりのものであるため、本人が譜面まで作ったと考えるのが妥当だと思います。
開幕はddkの繰り返し配色、次はkkdの繰り返しになっており、48分の部分も該当するドンを延長した形と捉えることで48分の後に繋がる16分の配色と上手く繋がります。
9小節目からは1小節ごとにあべこべの配置になっており、steμ氏の癖を感じられたため、彼の譜面であると予想します。
Destination 2F29
過去に例を見ない音符間隔を用いた楽曲の難易度デザインとして、Challengersと近いものを感じたのでこちらに予想。違ったとしてもChallengersと同じ作譜担当であることは間違いないと思います。 所々に配色を揃えて間隔を変えるゲーム的配置も見られます。
Brain Power
アクセントのような連打の使い方、ゴーゴーのあべこべ配置の長複合など。
具体的な理由は言えませんが、何となく彼の譜面だと思うものも並べておきます。
- フォニイ
- Just Awake
- Aleph-0
- スカーレット警察のゲットーパトロール24時(裏)
彼が作曲したBlessed Bouquet Buskersやタイコロールは?と思った方もいると思いますが、Dogbite収録時の公式ブログにて、
私の楽曲が他の方の手によってどのような化学反応が起こるのか、それも楽しみだったりします。
と語っている点から、他の譜面ジャーであると予想します。タイコロールに関しては合作もあり得そう。
(追記) 2022年12月27日に追加された外伝お題によって、BBBの譜面製作者はえむけぴ氏であることが判明しました。
まとめ
以上です。 steµさんが担当した譜面を見返すことで、散りばめられた工夫に気付くことができたと思います。
ギミックはエトウさんやタカハシさん、丁寧な音取りはすえPさんやアリーホットさん、ゲーム的配置はエトウさん、まりも研究所さん、えむけぴさん、音取りに拘りすぎない点はマスブチさんと言った感じで、様々な譜面ジャーが得意とすること、こだわっていることをどんどん取り入れているからこそ、魅力的な譜面がどんどん生まれているのだと思います。
太鼓チームがこれからも様々な譜面で我々プレイヤーを楽しませてくれるだろうと確信させてくれるような、譜面作りのプロであるsteμさんの譜面を紹介しつくしたところで、〆とさせていただきます。 ここまで読んでくださったみなさま、ありがとうございました。 それでは、おつカレーライス!
参考・譜面画像引用
元凶の動画
Dogbiteの記事
太鼓の達人 公式ブログ | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト
Taiko Drum Monsterの記事
太鼓の達人 公式ブログ | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト
「ゲーム的配置」に関する記事
えむけぴさん
太鼓の達人 公式ブログ | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト
まりも研究所さん
太鼓の達人 公式ブログ | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト
参考にはしなかったけど読んでおいて損のない記事
「タイコロール」制作秘話
太鼓の達人 公式ブログ | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト
4+1のそれぞれの未来の記事
太鼓の達人 公式ブログ | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト
GO ON の記事
太鼓の達人 公式ブログ | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト
*1:太鼓の達人公式チャンネルなどではなく、バンナムスタジオサウンドチームのYouTubeアカウントで放送されたので、仕方がありません。
*2:実際に割る際には見ている暇はありませんが...
*3:黒沢ダイスケさん曰く、幕末の時代の移り変わりと、太鼓の達人が色バージョンから新たな筐体に変わることを結びつけたそうです。
*4:チキンレースの譜面はマスブチさんとの合作らしいですが、マスブチさんが小節線ギミックを調整した感じでしょうか。
*5:ナムコオリジナルの方ではなく、ハイキューのオープニングの方です
*6:画像が色々と懐かしいですね
*7:Rare Heroという曲によく見られることが由来です