【小話】まださいたま2000の譜面制作者を当てに行く【太鼓の達人】

この記事はあくまで筆者の考察であり、真実は太鼓チームのみぞ知ることについてご了承の上でこの記事はお読みください。

 

皆様、お疲れ様です。

太鼓の達人の人気シリーズといえば、2000シリーズですね。意外なことに私の記事ではあまり触れていないシリーズです。*1

簡単に紹介すると、CS3で登場した第一作目「さいたま2000」を筆頭に続いているLindaAI-CUEさんによるシリーズで、その奇抜な楽曲たちは太鼓チーム側からも「頭のネジがブッ飛んで空いた穴に醤油でも流し込んでるんじゃないかと思える曲」と褒めているような悪口のような評価を貰っています。 

主に旧筐体時代の最難関曲を担い続けてきた楽曲たちで、〆ドレー2000は2023年9月23日に23時54分、陽の旅路へのプレリュード(裏)が登場するまで10年以上アーケード版のおにの最大コンボ数1位であったり、ドンカマ2000は今でも最難関曲の一角にいたり、近年でもまださいたま2000よくでる2000またさいたま2000が段位道場に採用されるなど、現在でもその脅威は衰えていません。

そんな2000シリーズですが、ボス曲を担い続けてきただけあって毎回譜面制作にはとても苦労されているそうです。とくにドンカマ2000は構想に1年、譜面を作り始めて1ヶ月という超大作です。

各楽曲の譜面制作の担当者ですが、さいたま2000黄ダルマ2000まではタカハシさん、またさいたま2000オジマさん、〆ドレー2000*2ノるどん2000エトウさん、わら得る2000マスブチさん、たいこの2000すえPさんが担当しています。

タカハシさんはエトウさんの前のブログ更新担当者で、2人とも太鼓チームの顔的な譜面ジャーです。 マスブチさんもAC3から参戦し、太鼓の達人サウンドディレクターを務める重鎮なので、この3人は代表的な譜面ジャーと呼んでも良いでしょう。

オジマさんは公式的な露出が少ないですが、作ってきた譜面は実力派ドンだーに好評であった譜面が多く、上級者向けの譜面を理解しているからこその譜面担当と考えられます。 すえPさんもソライロ九段に受かる実力者であり、元達人課題曲の疾風怒濤(裏)チャーリー ダッシュなども制作していることから、高難易度の制作に長けていると言えるでしょう。

このように、代表的な譜面ジャーや実力派譜面ジャーを贅沢に利用したこのシリーズですが、まださいたま2000だけ譜面制作者が分かっていません*3

そこで今回は公式から与えられている情報を元に、まださいたま2000の譜面制作者を当てに行こうと思います。せめて惜しいところまでは絞りたいです。

 

前提条件の確認

①初収録作品3DS3における譜面ジャーの担当譜面

まださいたま2000の初出作品は2016年6月16日発売の3DSソフト「太鼓の達人 ドコドン!ミステリーアドベンチャー」(以下、3DS3とする)です。

家庭用の太鼓の達人にはスタッフロールが付いていますが、その中には「譜面制作」の項目があり*4、その家庭用初出の譜面の制作を担当した譜面ジャーだけ名前が載っています。 つまり、スタッフロールを確認することでたくさんの譜面ジャーの中から第一段階のふるいにかけることができます。

とりあえず譜面制作者はこの13人の中にいることが分かりました。

次に3DS3の新曲、新譜面*5を見ていきましょう。

  • ないものねだり
  • 光るなら
  • ころころここたま!
  • ウンタカダンス
  • 海の見える街
  • セツナトリップ(表/裏)
  • ハッピーシンセサイザ
  • ギガンティックO.T.N(裏)
  • なめこのうた(表/裏)
  • 泡沫、哀のまほろ
  • 星のカービィメドレー
  • トラベルナ
  • 逆転裁判123メドレー
  • 魔界村(平地BGM)
  • Outride a Crisis
  • Good-bye my Earth
  • Rising
  • Lightning Dance
  • 美しく忙しきドナウ(表/裏)
  • 世界はいつでもミステリー
  • 星屑とリニアと僕
  • ダイエットファイター
  • 秋竜~Shiuryu~(裏)
  • まださいたま2000
  • 魔導幻想曲
  • クレイジービューティー
  • 龍脈の王

以上 30譜面

1つのソフトで新曲・新譜面が合わせて30個。今では15譜面程度なので当時の本気が伺えます...と、思いましたが、現行作品のドンダフルフェスティバルでもほぼ毎月新曲が出ているので、いつでも家庭用は良い物を提供していると言うのが正しいでしょう。いつもお世話になっております。

これを公式から発表されている各譜面ジャーの担当譜面に分類します。仮に担当している譜面が1つも判明していない譜面ジャーと制作担当が未判明の譜面の数が一致したら、一気に絞ることが出来ます。 せっかく譜面ジャーに触れる機会なので、簡単な紹介も注釈に書いておきます。暇な方はどうかご覧ください。

担当譜面ジャー 曲名
ヤマグチ*6 光るなら
海の見える街
セツナトリップ(裏)
星のカービィメドレー
クレイジービューティー

くぼけん*7

Lightning Dance
キジキジ*8 魔界村(平地BGM)
Rising
龍脈の王
atsu*9 ころころここたま!
セツナトリップ
エトウ*10  

ササオカ*11

世界はいつでもミステリー

カワーゲン・コラーゲン*12

ハッピーシンセサイザ
きらきら☆さかもと*13 ウンタカダンス
トラベルナ
Good-bye my Earth
しか@に~さん*14 なめこのうた(表/裏)
美しく忙しきドナウ(表/裏)
秋竜~Shiuryu~(裏)
アリーホット*15 ギガンティックO.T.N(裏)
逆転裁判123メドレー

すえP*16

ダイエットファイター

まりも研究所*17

泡沫、哀のまほろ

マスブ・チュジー*18

Outride a Crisis
未判明 ないものねだり
星屑とリニアと僕
まださいたま2000
魔導幻想曲

と、このようにエトウさん以外は何かしらの譜面が既に判明していました。残念ながら絞りこみは出来なかったので、別の事実から攻めていきましょう。

 

②ブログなどでの公式からの発言

成仏以降の2000シリーズをエトウさんが担当しているのなら、まださいたまも譜面担当なのでは?と思う方もいるかもしれないですが、残念なことに本人の口から「NO」と発言が出ています。

ソースは2020年の闘神祭でエトウさんと話した人が聞き入れた情報、というだけなので公的な根拠にはなりえませんが、今回はこれを信頼して候補から外させていただきます。

マスブチさんについて、バナスタサウンズナマスタ第10回にてわら得る2000に触れた際に「2000シリーズ(の譜面制作)って初めて実はやるんですけど...」との発言があったため、候補から外します。

ササオカさんについて、PS4ソフト「太鼓の達人 セッションでドドンがドン!」発売前の紹介記事内で、譜面作りのこだわりについて「必ず自分がクリアできるものにしていますね」と答えていること、そして同作品のテーマソング「つながれ!ひろがれ!打ち上がれ!」はノルマクリアに失敗した「掟破り」の譜面であることを明かしていることから、☆10でも指折りの難易度のまださいたま2000を担当するとは考えにくいため、候補から除外します。

しか@に~さん氏について、彼の担当した譜面であるSoup(レッドVer.初出=まださいたまより後)について語った際に「記念すべき50譜面目」であると発言しており、Soup以前に登場した譜面でしか@に~さん譜面であると判明している数がちょうど49譜面であるため除外します。その時点での制作譜面が全部判明している譜面ジャー、めちゃくちゃ貴重です。

 

ここからは、残りの9人から考察していくしかありません。

 

考察

①担当しがちな譜面傾向を元に外す

まずは思い切って

  • atsu
  • きらきら☆さかもと

の2人を外します。

理由としては、単純にこの2人は主に低難易度を担当する譜面ジャーであり、まださいたま2000は大きく外れているからです。

atsuさんはコラボ系やアニメ楽曲を主に担当しています。かつての開発日記では「いつか、☆10の譜面が作れるように、修行中です!」との発言がありましたが、流石にまださいたまを任せるのは社内イジメになりかねません。

 

きらきら☆さかもとさんは自分で「最近の太鼓の達人は難しそう...などと気負わないで楽しんでもらえるように」譜面を作っていると公式ブログ内で発言しているため、理念と真逆を行くまださいたまは作っていないと思われます。

 

②譜面に見える「癖」から外す

次に

  • アリーホット
  • まりも研究所

の2人を外します。この2人の譜面には見た目から分かるある特徴が存在します。

まずアリーホットさんですが、判明している譜面に「コ」の文字が一度も使われていないという特徴があります。

譜面の下を流れる文字については譜面ジャーがある程度自由に決められます。それが分かる例として、譜面下の文字で歌詞合わせを行っているvoid setup*194+1のそれぞれの未来*20などが存在している他、意図的に「コ」を配置していないと公式発言のあったHARDCOREノ心得もあります*21

アリーホットさんが「コ」を使わないこだわりを持っていそうなことは、ギガンティックO.T.N(裏)の面単色地帯を見れば分かりやすいと思います。

まださいたま2000にはコ音符が存在しているため、アリーホットさんは外せると考えました。*22

 

次にまりも研究所さんですが、彼の譜面は1打目の音符が現れるまでと、最後の音符を叩いた後の小節線が非表示になるという特徴があります。

1打目の音符が現れるまで、というのは彼の譜面の中だと竜と黒炎の姫君(かんたん)ゴーストルール(かんたんふつう)が分かりやすいです。他の難易度より1打目が後ろの小節に置かれていますが、その間にむずかしい以上で流れている小節線はかんたんふつうコースでは見られません*23

また譜面を叩き終わって「ノルマ成功」の文字が出るまでの間、あるいは出た後には、何も音符の無い小節線が流れていくのが普通ですが、彼の担当譜面はそのほとんどが最後の音符が存在する小節の終わり以降1本も小節線が流れません*24

例外的な譜面は、太鼓チームに正式加入前にエトウさんしか@に~さんさん*25と合作した「色は匂えど 散りぬるを」「幻想のサテライト」「Endless Seeker」の3譜面と、最後に小節線ギミックを施した「The future of the 太鼓ドラム」であることを考えると、全ての譜面で貫いている流儀であると考えても良いでしょう。

まださいたま2000は、最後の1打の後に3本ほど小節線が流れていたため、彼の譜面ではないと考えます。

ちなみに事実確認の「未判明」の欄にこの特徴と一致する譜面が1つ存在します。魔導幻想曲です。詳しくは説明しませんが、音取りとゲーム的配置を両立させた譜面であるため、彼の譜面である可能性は高いと思います。

 

ここまでの考察で、残り5人まで絞ることができました。

  • ヤマグチ
  • くぼけん
  • エトウ
  • atsu
  • キジキジ
  • ササオカ
  • Kawagen Kollagen
  • きらきら☆さかもと
  • しか@に~さん
  • アリーホット
  • すえP
  • まりも研究所
  • マスブ・チュジー

 

③公式発言から推測して外す

かつての太鼓の達人公式ブログでは不定期で「いまさら聞けない?譜面制作よもやま話」という企画を行っており、その内容は譜面ジャーが自分の担当した譜面をいくつかピックアップし、こだわりを語るというものでした。 現在譜面制作者が判明している譜面のほとんどはここからの情報です。

まださいたま公開以降によもやま話を受けており、かつ3DS3にて譜面を制作した

  • ヤマグチ
  • Kawagen Kollagen
  • アリーホット
  • しか@に~さん
  • すえP

の5人に関しては可能性がより低くなると考えます。

というのも2000シリーズの、それも達人相当の譜面の制作秘話などドンだー的には聞きたいに決まっていますし、その需要に応えてこそのこの企画であるからです。 譜面ジャーとしても2000シリーズの担当など鼻高々に公開したいのではないでしょうか。

最難関級の譜面担当は意図的に伏せられているという可能性は、チャーリー ダッシュ≠MM疾風怒濤の譜面担当が普通に公開されている点から一旦却下します。

ヤマグチさんについて、記事内で同作品のクレイジービューティーが初の星10であることが明かされており、まださいたまの譜面担当を任されるとは考えにくいと思います。

また、他に担当した星10の承認欲Q冷凍庫CJ~嗚呼面太鼓ブラザーズ~三瀬川乱舞(裏)などを考慮しても叩きやすい腕運びが存在する譜面が多く、運手を組むのが難しいまださいたまは彼の作風と違うように感じます。

カワーゲン・コラーゲンさんも主に☆8程度の譜面を作っているため(大勇者タツドンみたいな詐称が多いとかはともかく)、除外しても問題なさそうです。

すえPさんについて、たいこの2000を担当した際には「2000シリーズを担当する重圧感…」とのコメントもあり、初めて2000シリーズの譜面を担当するからこその発言とも取れると思います。 またParousiaの譜面を担当した時のブログコメントでは、同じ作曲者のxiさんが提供してくださった楽曲「疾風怒濤」の譜面も自身が担当したことをついでに報告されていたため、もしまださいたまを担当していたならば伝えてくれそうな気がします。*26

 

④結論

ということで、ついにキジキジさんかくぼけんさんの2択まで迫ることができました。二人とも旧筐体時代から太鼓の達人を支えるベテラン譜面ジャーであり、2000シリーズの譜面担当者としてどちらでも納得できます。

ここからはまださいたま2000とよく向き合って、その特徴と二人の譜面傾向から予想するしかありません。よりにもよって多彩な譜面が作れる2人が残ってしまいましたが頑張りましょう。

まださいたま2000の特徴として

  • 速さに任せた物量譜面に見せかけて、ロール処理しにくい配色と正攻法ではどちらの手でも16分入りが要求される配置による高い技術を要求する高速地帯
  • 繰り返しの中で発展していく難易度構成
  • 音を拾っていないようでドンで曲中のキックを丁寧に拾っているサビ
  • 普通譜面は歴代のさいたまシリーズ引用
  • むずかしい譜面以下はほぼおに譜面から音を抜いたもの

という点があります。これらを総合して考えると、キジキジさんが作ったのではないかというのが私の結論です。 根拠を説明します。

2人とも複合を多用した譜面をよく作っていますが、まださいたまはさらに「ゴーゴーは同じ配置を繰り返しつつ、少しずつ音符を増やしていく」構成をしています。これは彼の譜面の中だとNAKED GLOWからくりピエロ、微妙なラインだと束ね糸などに見られます。 最後に向けて長複合が増えていくのはガンスリンガーシンデレラ零の狂詩曲を感じます。

普通譜面の譜面引用ですが、オパ!オパ!RACER -GMT mashup-マッシュアップ元のファンタジーゾーン OPA!‐OPA! -GMT remix-Ridge Racerの譜面引用を行っている前例があり、関係する曲の譜面引用を行うタイプの譜面ジャーであることも分かります。

4つ目の特徴はほとんどの曲がそうではないのか?という指摘がありそうですが、ある程度レベルが高くなるとむずかしい以下は高難易度化を避けるために違う音取りをすることも多々あります。この二人のうち、よりおにむずかしいで差を大きく着けない印象があるのがキジキジさんでした。

分かりやすいのは、3DS3での担当譜面でしょうか。キジキジさんの担当した龍脈の王魔界村(平地BGM)ではむずかしい以下でもソフランを実装しているのに対し、くぼけんさんのLightning Danceでは一切ソフランがありません。

またキジキジさんは3DS3で開発ディレクターを務めており、「太鼓の達人 Vバージョン」で同じポジションを務めたマツモト(闇属性)さんが≠MMを始め多くの高難易度曲を担当したことを考えると、ディレクターだからこそ超高難易度を任せられているのではないかと考えることもできます。

最後にただの妄想ですが、かつて桜花爛漫の譜面を作る3人の譜面ジャーを決める企画にて、キジキジさんの立候補コメントに「独りよがりの俺スゲー譜面は自粛するべきです。なんか、知らんけど胸が痛くなってきた・・・」となにやら意味深な発言がありました。 これを斜に構えて受け取るならば、何やらブーメランになりかねない譜面を作ったのではないかと考えられます。 もしかしたらこれがまださいたま2000にあたるとキジキジさんが考えていて、リストアップしたのは普段は守っている信条のもと作った譜面のみ、という可能性はありそうです。

 

以上になります。考察の結果、キジキジさんがまださいたま2000の譜面を担当しているのではないかと予想しました。 特定するにあたって様々な情報元を探したり、譜面ジャーの譜面傾向を学んだりできて、私自身楽しく考察できました。

普段から太鼓の達人の譜面について、攻略の面でもこだわりの面でもその工夫を見つけようと分析を行っているのですが、今回は「譜面の下の文字」や「小節線の表示」など、これまで無かった視点を持つことができたのも大きな収穫だったと思います。

それでは今回はこのあたりで〆とさせていただきます。 キジキジさんが譜面を担当したというのは、公式ではなくあくまでも個人の妄想であることは悪しからず。

それではみなさん、おつカレーライス!!!

 

参考

https://wikiwiki.jp/taiko-fumen/%E8%AD%9C%E9%9D%A2%E4%BD%9C%E6%88%90%E8%80%85%E4%B8%80%E8%A6%A7

  • ドンだーひろば 太鼓塾
  • 太鼓の達人 公式ブログ いまさら聞けない?譜面制作よもやま話
  • 増渕さんの発言の根拠となるYouTube動画

『バナスタサウンズナマスタ』 第10回 - YouTube

  • 笹岡さんの発言の根拠となるインタビュー記事

『太鼓の達人 セッションでドドンがドン!』新機能を開発スタッフが解説!体験版も遊んでみた【特集第2回】 – PlayStation.Blog 日本語

*1:さいたま2000を六本の薔薇と采の歌の記事で、恋文とEkiBENをコンボ数の記事で、十露盤を新モールスの考察の記事で軽く扱っただけで、いずれもメインを張ってはいません。

*2:黄ダルマ2000までの譜面を繋げただけなので、ちょっと違うと言えばちょっと違いますが...

*3:厳密にはよくでる15300Nesin Amatias続・〆ドレー2000の譜面制作者も不明ですが、Nesinはさいたま2000の譜面を反転しただけ、続・〆ドレー2000は各シリーズのそのままの引用であることから実質譜面制作者は明らかであるものとしています。よくでる15300はメロディー(?)を無難に拾っただけなので、あまり譜面ジャーに関心が向けられないように感じます。誰が作ってもああなりそうですが、恐らくエトウさんでしょうか。

*4:PS4以降は「SCORE LEVEL DESIGN」となっています。

*5:DLCは除く

*6:メロディを丁寧に拾った安定感のある譜面を作る譜面ジャー。曲を聴いて二通りの解釈ができたときには裏譜面を作って明確にコンセプトを分けることもしばしば。ブルー段位道場のスタッフロール以降音沙汰がない。

*7:AC8から参戦しているベテラン譜面ジャー。16分3連打の繰り返しや16分5連打+7連打の印象的なリズム、配色が楽しい16分複合などが特徴的。旧筐体時代から多くの名譜面を作りドンだーから支持を得ているが、アイドルマスターの曲だけを集めた「マストソングス」ではコール合わせの連打や盛り上がりに合わせたゴーゴーを乱用したり、これまでの譜面を変更したりと大きく評判を下げた。それでも僕はこの人の譜面が好きです。現在でもこの人っぽい譜面をたまに見かけるので多分現役。キリ番、ゾロ目コンボへのこだわりが太鼓チームの中でも強い。

*8:AC5から参戦。初制作譜面はソウルキャリバーII。音合わせ譜面は勿論、曲に馴染む配置をした譜面が多い印象。技術譜面が多く、特にMAGICAL SOUND SHOWERNAKED GLOWなどは現在でも人気。なお判明している唯一の☆10は束ね糸と体力系。最近だと太鼓 de タイムトラベルの一世風靡の達人譜面やドンダフルフェスティバルのゲームデザインで名前を確認。筆者のイチオシ譜面ジャー。

*9:コラボ関係の仕事や筐体のポップ作成などを行っている譜面ジャー。オオサワという名前の方がピンと来る人もいるかもしれない。懐かしの関ジャニの仕分け∞の限定譜面は彼の譜面の可能性が高い。ブルーVer.時点では太鼓の達人のプロデューサーを務めていたが、現在の動向は不明。イエローVer.の天下一音ゲ祭ではスタッフ代表として舞台に登場した。☆8程度の譜面を主に制作している。

*10:言わずと知れた太鼓の達人開発ディレクター。ドンカマ2000のような極限まで音合わせした譜面、Phantom Riderのようなギミック譜面、Doom Noizのような曲に合うリズムを新たに作る譜面などどんな譜面でも作れる万能譜面ジャー。企画や段位道場の開発で忙しく、最近はあまり譜面を作れていない様子。2023年6月18日の生放送でサラっとアスノヨゾラ哨戒班の譜面を作ったことを公開し筆者の中で話題に。

*11:太鼓の達人を企画段階から支える最古参メンバーの1人。繰り返しを基本に発展させていく譜面を得意とする譜面ジャーで、太鼓の達人の顔である夏祭りの譜面も彼が作成している。家庭用ディレクター、デザイン、テーマソング作詞などの仕事を担っており、作詞したテーマソングはそのまま譜面を付けることが多い。今回紹介した世界はいつでもミステリーもこのパターン。

*12:作曲も譜面制作もこなす譜面ジャー。彼の作曲で有名なのはやはりそつおめしきだろうか。恋はドント・ダウトバーニングフォースメドレーも彼の曲である。ドント・ダウトの歌唱であるYuzukiさんは彼の奥さんである。かなりの年の差婚。初制作譜面はにんじんにん。この時点でセンスが伺える。 時空庁時空1課クロス・ブルーのような音取りに拘らない譜面が多い。曲の小ネタ再現やコンボ合わせ、ギミックなど譜面作りのテクニックに貪欲に手を伸ばしており、高品質な譜面が多い。癖の強い譜面を多く作っているため、段位道場で彼の譜面を見かけることも少なくない。

*13:何も考えずに叩いて、「あー楽しかった!」という気持ちが残ることに重点を置いて譜面を作成している譜面ジャー。理念通り複合の少ない単純明快な譜面が多いが、印象的な配置が多く譜面制作の実力の高さを感じる。特にGood-bye my Earthの配置の巧みさは一級品。元サウンドチーム出身で、ナイトメア・サバイバーは彼の楽曲である。譜面制作理念に対して曲がイカつい。現在の動向は不明。

*14:「その曲をプレイする人が求める難易度感」を重視した譜面ジャー。ソフランを多用した譜面が印象的で、その理由として「疾走感」を挙げている。上級者がプレイすることを想定した譜面アプローチだと言えるが、ソフラン依存の譜面傾向が多かったからか、秋竜(表)の譜面を作った際にはエトウさんから「ちゃんと考えて譜面を作っているのか」と指摘を受けている。その譜面の癖の強さから、ドンだーからの評価もかなり割れているが、カグツチScars of FAUNAなど幅広いプレイヤーに評価されている譜面も多く作っている。キミドリイエローでは段位道場の構成に参加。ブルーVer.周辺で持病の悪化を理由に辞職しているが、イエローから太鼓塾が目に見えて手抜きになったのは彼と同様の熱意をもった担当が見つからなかったからだと考えられる。

*15:短い複合を多用する譜面が得意な譜面ジャー。初期に判明していた低難易度譜面に人気の譜面が少なく最初は評価が低かったものの、FUJIN RumbleFooFooカセットKUSANAGI等の高難易度譜面の制作をしたことが判明すると、その完成度の高さからどんどん評価が上がった。譜面制作話を聞くかぎり、かなりふわっとしたイメージを始点として譜面を作っていることが分かる。現在の動向は不明。

*16:元々はシンクロニカの譜面制作を担当していた譜面ジャー。作曲も行っており、シンクロニカ提供曲「駆け抜けてゆく」は太鼓の達人でも遊べる。経歴からか、シンクロニカ楽曲の譜面の多くは彼が担当している。音合わせの精度が高く、特にチャーリーダッシュ疾風怒濤は容赦のない音取りでドンだーを苦しめた。初制作譜面はロストワンの号哭

*17:音楽的配置とゲーム的配置をうまく使いこなす譜面ジャー。担当した譜面はALiVE激運!七福ハッピークルーをはじめ好評の物がとても多く、人気の譜面ジャーと言える。太鼓チームに所属する前から「譜面ジャーX」として譜面制作に参加していたらしい。弾幕ゲームが大好きらしく、東方楽曲の譜面を多く担当しているほか、東方コラボで射命丸文魂魄妖夢といった人気キャラを差し置いて宇佐見蓮子&マエリベリーハーンのぷちきゃらが先に実装されたのは彼の功績らしい。最近ではThe future of the 太鼓ドラムの譜面を担当。

*18:サウンドディレクター・増渕裕二さんの譜面制作の際の名義。マーヴィー教授という時もある。リズムが素直じゃないだの、むずかしい以下の難易度が高いだの言われがち。作曲家としてはミカシリーズSTAGE 0.ac11亜空間遊泳ac12.5などを作っている。作曲に近い考え方で譜面を制作しており、曲になっていない音でも「太鼓の打音を新たに追加する」という考えの元配置することが多い。ドラム合わせの譜面も多く、あの日出会えたキセキのようなとっつきやすい譜面も作っている。AC2から参戦している最古参勢であるにも関わらず、わら得る2000のような斬新な譜面を現在でも制作し続けている。エンジニアとしても太鼓の達人に関わっているから、システムの限界を試す譜面を作っているとも考えられるか。

*19:曲中の「カッコ」という歌詞について、譜面でも縁と面でカッコを再現しています。

*20:歌詞の「どこ」に立っていますか、と「こ」の先の、について、コを配置することで再現しています。

*21:この意図ですが、登場から6年が立とうとする今でも全然ピンと来ていません。分かる方がいたら教えてほしいです。

*22:ただし、PS4のスタッフクレジットでも名前が載っていますが、「コ」が無い譜面が無かったり、FooFooカセットのむずかしいには普通に「コ」があったりと、確証が無いです。少なくともまださいたまの時期周辺の譜面にはコが無いことは確かです。

*23:この特徴を元に考えると、難関譜面と名高いまるくてはやくてすさまじいリズムCoquetteは彼の譜面の可能性が高いです。もしそうだとしたら、同時期に登場している上に両方段位課題曲のため、かなりの労働量ですね。

*24:最近だとRe:End of a Dreamでもこの特徴が見られました。もしかしたら譜面を担当しているかもしれませんね。

*25:彼の名前、ちょっと敬称に困ります。

*26:画竜点睛シリーズ最新作である「一世風靡」の譜面ジャーからのコメントでも、マスブチさんとキジキジさんは過去のシリーズでも譜面を担当したことを普通に明かしているので、これまでのシリーズの話をすることは全然おかしくないと言えると思います。

【SUGOI DEKAI】大きい数字を持つナムコオリジナル曲ランキング【太鼓の達人】

皆様、お疲れ様です。

ナムコオリジナルにはお馴染みの2000シリーズを始め、数字が曲名に入る曲がたくさん存在しています。

この数字についてどれくらいデカくなるのかな、と気になったことはないでしょうか。

そこで今回はどれだけ大きな数字を含むナムコオリジナルをランキング付けしてみようと思います。

最近音ゲー曲全体を対象として同じようなランキングを作成されている方を見かけてしまいましたが、気にせずに行こうと思います。

 

  • ルール説明
  • 34位~21位
  •  
  • 20位~11位
  • 10位~4位
  • トップ3
  • おまけ

 

ルール説明

まずは今回のレギュレーションを設定します。

  • ルール1:対象曲はすべてのナムコオリジナル曲

逆に言えば、ニジイロバージョンに入っていない曲も当然のように登場します。

  • ルール2:曲中に離れて数字が配置されている場合、複数回ランクインさせる

複数の曲で扱いに困る数字が存在したので、思い切ってこの方針としました。

  • ルール3:特殊な表記の場合、意図した数字を尊重する

例)

≠MMには2000という数字が使われてはいませんが、MMでギリシャ数字の2000を表しているので「2000」と扱います。

万戈イム-ーノ十は曲名に「万」と「十」を含みますが、漢字表記の成仏二千をバラした結果であるので、「2000」として扱います。

  • ルール4:数字の意味で使われているものに限定する

東京特許キョ許可局局長!には「京」が含まれる!といった言葉狩りはしません。ホントだよ?

  • ルール5:数式は計算する

4+1は5です。

  • ルール6:無限は対象外

つまりInfinite Rebellion鳳凰天舞無限崩れは対象外です。*1

今回は有限の値で勝負させていただきます。

 

では早速見ていきましょう。

*1:夢幻の蒼空白猫きゃらめる夢幻のわたあめは数字ですらありません。

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【資料集】青春の達人まとめ【太鼓の達人】

皆様、お疲れ様です。 2023年の太鼓の達人のエイプリルフール企画、「青春の達人」。 皆様も楽しんでいらっしゃるでしょうか。

QRコードを読み込むことで鼓立あおはる学園の生徒との演奏を楽しみ、ちょっぴりドキドキするセリフを投げかけて貰うことができる特別モードで遊べる今回の企画。キャラクターデザインからして、いつものポップなデザインとは異なり明らかにオタクを狙ってきています。

過去のエイプリルフールの中でもかなり気合いの入った出来、というか、ようやく太鼓の達人がエイプリルフールに本気でふざけてきたという感じがします。

今回は青春の達人のロゴを見て思ったこと、各キャラクターの簡単な紹介、リアクション、僕が偏見で決めた(ここ大事)パートナーになった時に一緒に演奏したい曲などをまとめてみました。 普段の考察や解説とは違って、ただの資料集って感じです。 肩の力を抜いていきましょう。

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【裏話】六本の薔薇と采の歌について【太鼓の達人】

皆様、お疲れ様です。

最近は大手バーチャルYouTuberグループであるホロライブとのコラボが行われましたが、皆様お楽しみいただいたでしょうか。

各メンバーの楽曲は大手のアーティストが書き下ろしているだけあってクオリティが高く、譜面も親しみやすい難易度で取り組みやすいうえに、ぷちキャラも用意されており、最近のコラボの中ではかなり力が入っていましたね。

その中の一曲「六本の薔薇と采の歌」はすでに多くのプレイヤーが遊んだことかと思われます。ホロライブの楽曲でありながらナムコオリジナルに収録されているこの曲。実はsteμさんによる新規書き下ろしです。

この曲が収録された経緯、曲に込められた小ネタや思いなど、皆様はご存じでしょうか。 私もホロライブについては初心者ですが、いくつか分かったことがあったのでまとめていきたいと思います。

このブログでsteμ氏関連の記事を書きすぎて、「またか」と思われるかもしれませんが今回も語らせていただきたく思います。

 

このブログの内容は公式的に発言された内容では無いので、あくまで私自身の個人的な解釈であることにご了承ください。 正直「こじつけだろ!」と言われても仕方のないような内容も、もしかしたら意識しているかもしれないという無敵論法でまとめております。気に入らない点はスルーしてください。

 

目次

収録に至るまでの経緯を振り返る

まずはなぜホロライブコラボ、ひいてはメンバー歌唱のナムコオリジナル楽曲が収録されることになったのか、簡単にその経緯を確認していきましょう。簡単にと言いつつ割と長いです。

 

もう知っているよ!という方は目次から次の項目へ移動してください。

 

ことの発端は2022年5月8日に行われたホロライブの公式ゲーム大会、通称ホロGGW(ホロライブ・ゴールデンゲームウィーク)です。

この大会では、総勢24人のホロライブ所属メンバー*1日本勢が6人4チームに分かれ、リズムゲーム部門、スポーツゲーム部門で3人ずつの代表者を決めて戦いました。

リズムゲーム部門に選ばれたのが、バンダイナムコエンターテインメント様提供の「太鼓の達人 Nintendo Switchば~じょん!

スポーツゲーム部門に選ばれたのがコーエーテクモゲームス様提供の「つっぱり大相撲」です。

大会のルールを説明します。 太鼓の達人部門は課題曲として

の3曲を1人1曲ずつ演奏し、3人の合計点数をチームで競い、1位から順に15pt、10pt、7pt、5ptが入ります。

ルール発表の時点では10pt、7pt、5pt、3ptでしたが、1週間の練習期間の結果、フルコンボは当然の上で、どれだけ可を減らせるか、どれだけ連打を入れられるかというレベルまで各メンバーの実力が跳ね上がったことを受けて、僅差の試合となると予想され点数が上方修正されました*2

 

続いてつっぱり大相撲のルールです。

つっぱり大相撲部門では3人が先鋒・次鋒・大将にポジションを分け、各チームの同ポジション同士が戦います。先鋒が勝っても勝ち抜きで次鋒とも戦うわけではありません。

力士の残機は5人で、先に相手の5人を倒しきった方が勝ちとなります。先鋒・次鋒戦では勝利すると2ポイント、大将戦では3ポイントを獲得できます。

技はつきだしやおしだしなどの相撲技からすうぷれっくすぶれえんばすたあといったプロレス技、さらにこのゲーム最大の見所とも言える、相手の廻しをもぎ取るもろだしがあり*3頭がピンクな人が多いことで有名なホロライブの参加者は隙あらばもろだしを狙って奮闘しました。ようは太鼓でフルコンを狙って相撲でフルチンを狙うってことですね。もうやだこのアイドルグループ

4チームの総当たり戦なので、合計6戦の長丁場となりました。

そして、この2つのゲームでの獲得ポイントの合計で順位が決まり、大会で優勝するとスイッチのゲーム1本と太鼓の達人オリジナルジャケット*4、譜面タオル、そしてナムコオリジナル新曲の歌唱権利、あと別にいらないけどホロライブなどのプロダクションを運営している企業、カバー株式会社の社長でありホロライブ1番のアイドルでもある谷郷元昭さんを模したゴールデンYAGOO*5トロフィー素材(.jpeg)が景品で送られます。

 

4月29日にはメンバー大抽選会が行われ、上記のルール説明と共に、今回のゲーム大会でリーダーを務めることになったアキ・ローゼンタールさん大空スバルさん常闇トワさん鷹嶺ルイさんの4名が他のメンバーが伏せられたカードの番号を選ぶことで抽選を行いました。

各チームのメンバー・チーム名*6・担当は以下の通りです。

 

戦績は以下の通りです。 まずは太鼓部門から。

 

先陣を切ったアキロゼチーム夏色まつりさんがもじぴったんメドレー初手可3フルコンボを出し、太鼓部門の点数基準となるチームとして高い壁を築きました。

全チームが緊張により精度が普段より崩れつつも名探偵コナンメインテーマフルコンボする快挙を遂げる中、自己ベストではフルコンボしていたアキ・ローゼンタールさん、星街すいせいさん、夜空メルさんが本番のさいたま2000続けて不可を出し(それでも不可の数は最大3。)、緊張で太鼓の魔物*7に食われてしまいます

そんな中鷹嶺ルイチームは、風真いろはさんがもじぴったんメドレー本番の緊張の中で全良を達成。続く不知火フレアさんも名探偵コナンメインテーマフルコンボ全体で2位の成績。*8さらに桃鈴ねねさんが本番で唯一さいたま2000フルコンボを達成し、鷹嶺ルイチームが1位通過を果たしました。

 

続いて相撲部門です。

横の合計がチームの合計点数です。

アキロゼチームは大将戦をさくらみこさんが全勝、特にチームスターアニマルの大空スバルさんとの対戦では全試合唯一のもろだしを炸裂させました。

ルイチームは大将の鷹嶺ルイさんは惜しくも敗北してしまったものの白銀ノエルさん、宝鐘マリンさんが全試合全勝で点数を稼ぎ、逃げ切りの形で総合優勝を果たしました。

終結果の画像も貼っておきます。*9

 

こうして勝利した鷹嶺ルイチームが優勝商品とナムコオリジナル楽曲の歌唱権利を獲得し、steμさんが大会本番の様子を受けて楽曲「六本の薔薇と采の歌」を完成させたということです。 この楽曲がACに収録されると同時に、ホロライブコラボとして優勝したルイチームこと薔薇☆Diceのメンバーの個人楽曲の収録も決定しました。

 

結構長くなってしまいましたが、これだけ説明した方が後々楽なのです。

 

六本の薔薇と采の歌のこだわり ~曲名・ユニット名編~

ようやくですが本編に入ります。

まずはユニット名に触れていきましょう。

薔薇☆Diceという名前はホロGGW当日の優勝が確定した後、「ユニット名を決めておいて」と言われた際にチーム内で話し合って生まれました。

元々鷹嶺ルイを中心としたパラダイスということで「ルイパラダイス(ルイパラ)」と名乗っていましたが、もっとカッコいいのが良いとのことで、

  • パラダイスの「パラ」を薔薇にしよう by.桃鈴ねね
  • ☆を付けたい by.桃鈴ねね
  • ダイスをDiceにしよう、Dだけ大文字な by.宝鐘マリン
  • ロゴはサイコロの1の目が薔薇になってたりして by.宝鐘マリン

...などなど、終了時刻が夜の0時だったためほぼほぼ深夜テンションで決まったようです。 全部本当に反映されてますねw

さらに宝鐘マリンさんの勢いでチームの挨拶が「それでは皆さん、す薔薇しい...」になってしまいました。 こちらも裏譜面のフルコンボ称号「す薔薇しいドンだー」に反映されています。

これを受けての曲名が六本の薔薇と采の歌です。 薔薇とダイスを単純に曲名に折り込んだだけに見えますが、色々と工夫が感じられます。

まず采(さい)ですが、こちらはさいころを表す漢字です。

さいころを表す漢字としては「賽」の方が一般的ですが、「采」とすることでさいころ以外にも「選び取る」「いろどり」という意味を持たせることができます。

選び取るという意味は、ランダムな数字を選びチームを決めたという状況にまさに合致します。

続いて六本の薔薇についてです。「薔薇と采の歌」では無く「六本の」と付け足すことで、六人全員の活躍を強調しているのではないかと考えます。

また、さいころ面体であるため、本の薔薇とすることでバラとさいころを繋ぐ共通項を作り、曲名に統一感を出すことができます。

 

六本の薔薇と采の歌のこだわり ~譜面編~

作曲者であるsteμさんが譜面も担当したという前提で話を進めていきたいと思います。

まず難易度のかんたん☆2、ふつう☆2、むずかしい☆3、おに☆6ですが、かんたん~むずかしいの星の数が相撲の先鋒~大将の勝ち点と一致しています。 おにの☆6は曲名由来でしょう。

おにコースのコンボ数は508コンボですが、これは大会が開催された日付である5月8日に因んでいます。

 

さらに譜面について、主におに(裏)コースを、必要なタイミングで別コースも並行して解説していきたいと思います。

六薔薇裏開幕

開幕は低速から始まります。全良狙いの際は初っ端からきつい配置ですが、2小節目には青天の黎明、チキンレース(裏)のように連打でドン音符を隠すギミックが存在します。

ここの部分ではさいころを振る音が聴こえることから、さいころの出目は転がり終わるギリギリまで分からないことを音符を隠すギミックで再現していると考えられます。

このドン音符にはHS0.58*10が掛かっていますが、この数字もまた5月8日に因んでいます。

さらに1小節目の最初の4打を除いた部分の配色と2小節目の配色に注目すると、配色は共通で配置が異なる、いわゆるゲーム的配置*11が使われていることが分かります。 7小節目と8小節目、11小節目と12小節目にも見られますね。

分岐後の縁大音符ソフランですが、それぞれの分岐で異なるハイスピードが掛けられています。

普通譜面のHS1.4は、チーム決めの大抽選会における、桃鈴ねねさんのカードの番号である14番と一致しています。

練習ではさいたま2000の難易度に苦戦し一度は諦めかけましたが、本番では唯一フルコンボを達成することができ、チームの勝利に大きく貢献した彼女の活躍をsteμさんはかなり大切にしており、この後もいくつか桃鈴ねねさんの活躍が反映された要素が登場します。

  

右下の髪型が鷹っぽいお姉さんが鷹嶺ルイさん、その右のカードに書かれている女の子が桃鈴ねねさんです。 他のメンバーは興味があったらご自身で調べてください。

 

玄人譜面のHS2.05は、太鼓部門のルイチームの合計点数205万点です。

 

達人譜面のHS2.7ですが、これはルイチームの太鼓と相撲を合わせた総合点数27点から来ています。

 

最後の高速16分4打に掛かっているソフランもすべて同じ数字です。

この後しばらくは凝ったギミックが登場するわけではありませんが、取る音がドラム、カスタネット、三味線、ボーカルなど点々と移動しています。

作曲者のsteμ氏が作譜をしているのであれば、「曲中の音でどれを引き立たせたいか」を一番理解しているはずなので、このように取る音が散らばっていても叩いていて気持ちいい譜面が成立しているのも納得できます。

 

この譜面の有名な特徴といえば、やはりサビの後の引用地帯でしょう。むずかしいおに(裏)について、サビ後のソロ地帯で引用があります。

80-81小節目は風真いろはさんの歌うパートですが、彼女が本番で演奏したもじぴったんメドレーふつうおにの譜面が引用されています。

普通譜面のみ、41小節の3拍目で引用が打ち切られています。

 

続いて82-83小節です。不知火フレアさんが歌うパートですが、こちらも彼女が演奏した名探偵コナンメインテーマが引用されています。

 

84-86小節は桃鈴ねねさんのソロ、87-88小節は薔薇☆Diceの太鼓組で歌いますが、ここはすべてさいたま2000の引用になっています。

むずかしいおに譜面はもじぴったんふつう→名探偵コナンむずかしい→さいたま2000むずかしいと、大会で演奏した難易度と引用譜面の難易度が一致しています。

またおに譜面のさいたま2000引用の最後には21打の風船がありますが、これは大会本番で桃鈴ねねさんが出した連打数と一致しています。

 

その後の相撲組の譜面は引用では無いですが、88小節と90小節、89小節と91小節が音符を1つずつ増やした形となっており鷹嶺ルイさんソロの「高める意味は光采となって」で密度も高めて譜面を盛り上がらせています。

94小節ではここまでの偶数打主体から奇数打主体に切り替えることで、ラスサビの16分奇数打主体の高密度と綺麗に繋がるようになっています。

 

ラスサビの達人譜面は完全に憶測になりますが、16分のドコドンを主体とする小節とドンを主体とする小節が交互にくる譜面傾向が若干Black Rose Apostleに近い印象を受けました。

 

六薔薇裏 ラスサビ

Black Rose Apostle(表)

曲名が「六本の薔薇と采の歌」であるため、薔薇シリーズの譜面を引用したり、SUPERNOVA(裏)のように譜面を寄せたりする可能性は無くはありません。

ただし、薔薇とサイコロ、そして薔薇シリーズをかけ合わせるとしたら、Red Rose Evangelの譜面引用が欲しいと思いました。 というのも、サイコロはの1の目との2~6の目が打たれたものが主にイメージされるからです。

薔薇☆Diceのロゴも1の目が赤いバラで出来ているため、やはり赤薔薇の引用が欲しいです。しかし、それらしいパートは見つけられませんでした。そのため残念ながら僕の予想は間違っているでしょう。じゃあ書くなよ

 

六薔薇裏達人 112小節以降

112-113小節と114-115小節はあべこべの配置になっている他、完全にドンカツの交互で叩けるようになっています。

あべこべの配置はsteμさんの譜面の癖としてよく現れると、steμさんの担当した譜面に関する記事で紹介しましたが、ここにも見られますね。

116-117小節の複合は規則性が分かりにくいですが、カカ×2→ドド×2→ドドド×2の間にを挟んだ形となっています。

裏達人のコンボ数1177は、一応エンジェルナンバーとして「前向きに努力を続ければ、幸運が訪れるだろう」という意味があり、大会と少し関連するようにも見えますが、エンジェルナンバーを持ち出すといよいよ何でもありになってこじつけが苦しいので、あまり深く触れないでおきます。

小ネタになりますが、譜面分岐の箇所について、2か所サビやメロディの切り替わりというわけでもない謎のタイミングで分岐判定が行われています。

この2か所は歌詞で言うと「春の采」「夏の始まりに向かって」の部分で行われています。季節が進んだタイミングで分岐が行われているということです。この部分で譜面を上のレベルに上げるとちょっと現実とリンクした気分になれます。

譜面については以上です。

 

六本の薔薇と采の歌のこだわり ~曲調、歌詞編

最後に、楽曲について触れていきましょう。

この曲は太鼓の達人の公式YouTubeチャンネルにてフルバージョンのMVが公開されており、今回の解説ではこのフルバージョン分の説明をしていきます。

楽曲についてはこちらをどうぞ。

youtu.be

まずは曲のBPM*12ですが、205となっています。

ここまで読んできた皆さんならお察しの通り、この数字はルイチームが太鼓の達人部門で記録した合計点数205万点からです。

 

次は曲調について触れていきましょう。steμさんは以前のインタビューで「太鼓の達人を通じて様々なジャンルの曲を体験してもらいたい」といった旨の発言をしていましたが、この曲も様々な要素を包含しており、和×ロック×フラメンコとなっています。

それぞれの要素としては

*13

  • 三味線
  • 尺八
  • 篠笛
  • 和太鼓

ロック

フラメンコ

 

といった具合です。

和ロックは太鼓の達人の和要素とアイドルソングの疾走感を兼ね備えており、コラボとして書き下ろされた楽曲のジャンルとして最適と言えるでしょう。

ではフラメンコの要素はどこから来たのでしょうか。

私はフラメンコには「薔薇を口に咥えている」イメージが広がっていることから*14六薔薇にもフラメンコの要素を折り込んだのだと考えます。

 

ここからはようやく歌詞について、自分の考察とともに説明していきます。

さっそく話していきたいところですが、説明がしやすくなるのでまずは曲の最後にある番号コールパートを紹介させていただきたいと思います。

 

(鷹嶺ルイ)   番号!

(風真いろは)  壱!

(不知火フレア) 弐!

(桃鈴ねね)   参!

(白銀ノエル)  肆!

(宝鐘マリン)  伍!

(鷹嶺ルイ)   陸! 全員~~?

(全員で)    薔薇☆Dice!!!!!!

 

アイドルグループだとよくある自分の番号をコールするやつですね。この番号が後で解説の役に立ちます。 その時になったら説明するので覚えておかなくて大丈夫です。

「全員~~?薔薇☆Dice!!!」の流れはホロGGW当日の優勝コメントであった

(鷹嶺ルイ)    優勝?

(メンバー5人) ありがと~!!

(鷹嶺ルイ)       焼肉?

(メンバー5人) 行くぞ~!!

(鷹嶺ルイ)       全員?

(メンバー5人) 巨乳~!!

を彷彿とさせます。

...いやふざけてるわけでは無いですよ?本当にこういう優勝コメントだったんです!信じてください!

 

番号の説明も済み、こういう優勝コメントだったと信じてもらったところで、曲の初めから、歌唱分けと共に歌詞を見ていきましょう。

(全員) あなたとの あらゆる瞬間が

     楽園のものとなるように

楽園というワードは薔薇☆Diceの語源であるパラダイスから。

(ノエルマリンルイ)  私達が巡り逢った 春の采

それは未知の冒険への振り出し

(いろはフレアねね)  みんな別の芽を持つ6人の運命

一体となって転がり始めた日

ここはつっぱり大相撲組→太鼓の達人組という歌い分けになっています。

「春の采」は、4月に行われたメンバー大抽選会のことです。 ここでも「さい」の字を采としたことが活きています。 また大会本番とかけて同音異義語の「」もかかっているかもしれません。

「振り出し」「転がる」はサイコロやすごろくをイメージさせるほか、「芽」は薔薇の芽とサイコロの目のダブルミーニングであると容易に想像できます。

 

(いろは) 独り自分を見つめる度

      どこかでは

      憂いていた己の弱さに出会い

(ルイ)  醒める度に向かい合えた

      あなた達だけは

      分かっていた私の強さに出会う

ここからソロパートに入りますが、先陣を切るのはルイチームで最初に大会本番に参加した風真いろはさんです。

独り」は憂いていた「己の弱さ」と出会い、「あなた達」は最初から信じていた「私の強さ」に出会う。上手く対比され、絆を感じる歌詞となっていますね。

対比側の歌詞を歌うのは鷹嶺ルイさんとなっていますが、ここで先ほど触れた番号を思い出します。 いろはさんがで、ルイさんがでした。これをサイコロに見立てるとちょうど向かい合う位置関係になります。歌詞だけでなくサイコロでも向かい合っているということですね。

 

(ノエル) 越えて 迎える

(フレア) 越えて 迎える

(マリン) 聴いていたのは 薔薇の葉の言葉

(ねね)  青春を越える 夏の始まりに向かって

Bメロに入ります。

「薔薇の葉の言葉」ですが、薔薇には葉っぱにも花言葉があり、その花言葉は「諦めないで」「希望はある」となっています。 まるで大会当日に近づくにつれ大きくなる不安への励ましの言葉のようです。

青春というワードについて、「このゲーム大会を通して優勝を目指して協力・奮闘した日々はまさに青春だった」と、優勝したルイチームに限らず多くのチームが話していたのが印象に残っています。

またこのパートでは時間の流れを感じることができます。

朝を越えて夜を迎え、夜を越えて朝を迎える。同じ内容を繰り返すことで日々を重ねていることを印象的に伝えていると考えられます。

日々を重ね、「別の芽を持つ6人」は成長し、薔薇が「葉」を付けたという流れを感じることができるのです。

「青春を越える」という表現は馴染みが無いですが、ここまでのパートで「越える」という言葉が時間の経過を示していると印象付けることで、を越える」→「の始まり」という時間経過を表していると自然に理解することができます。

さらに、薔薇の開花時期は5月~6月にかけてと、まさに初夏であり、ホロGGW本戦開催時期とも噛み合います

 

(全員) 勇気を持って 挑み続けて 辿り着かせた

情熱と 共鳴をしての開花

1回目のサビの歌詞です。

挑戦を諦めなかったことで実力を伸ばし優勝を勝ち取ったルイチームへのsteμさんからの称賛のような歌詞となっています。

また、Bメロで葉付いた薔薇はついに開花しました。

 

ここからのソロは、それぞれのメンバーのキャラクターを示すような歌詞となっています。 タイコロールの色バージョンを振り返る部分のような感じでしょうか。

歌唱順は太鼓組→相撲組で大会に参加した順番です。 多くの要素を兼ねた歌詞であるので、丁寧に拾っていきたいと思います。

 

それは一文字の風になって

風真いろはさんが歌います。

いろはさんの大会本番でのもじぴったんメドレーの全良はチームに完全に流れを作りました。 大会中のコメントでも「風真が追い風を吹かせてくれた」と宝鐘マリンさんなどの発言がありました。

また「」と「風真」、「文字」と「もじぴったん」が掛かっていると考えられるほか、「一文字」は良という1文字だけのリザルト、大会本番で連打1打増やしての自己ベスト更新といった結果を受けていそうです。

 

迷いを晴らす燈火となって

不知火フレアさんが歌います。

ルイチームが結成して分担に悩んでいた時に、真っ先に「私がコナンをやる」と名乗り出て、分担をスムーズに決めるきっかけとなってくれたのが、不知火フレアさんでした。

また桃鈴ねねさんが練習を重ねてもなかなかさいたま2000フルコンボすることができず、他の人がやった方が良いんじゃないのかと悩んでいた時に「ねねちにプレイしてほしい」と背中を押してくれたのもフレアさんでした。 そんな彼女はまさにチームにとって「迷いを晴らす燈火」と言えるでしょう。 また、名探偵も人々の悩みを解決する存在です。

太鼓の達人と絡めるのであれば、燈火がゴーゴータイムに判定枠に灯る炎を意識していると考えるのも面白いです

また、燈火が夜間に光の異常屈折現象によって点々と見える現象を不知火と言います。

 

オレンジに照らす鼓舞曲となって

桃鈴ねねさんが歌います。

本番直前までさいたま2000に苦戦し続けた桃鈴ねねさんでしたが、本番では見事に唯一のフルコンボを達成し、チームを鼓舞してくれました。

オレンジに照らす」というのは、桃鈴ねねさんが「ホロライブ5期生オレンジ担当」であることを受けての歌詞でしょう。ねねねねねねねね!大爆走でもそんな歌詞がありました。

この歌詞が画面がオレンジに光るゴーゴータイムのことも意識していると考えても面白いです。

 

轟いた2000秒

ここは3人で歌います。 2000秒というのはさいたま2000を意識しての歌詞です。

「2000秒」のあたりで後ろでうっすらと「脳内カーニバルだど~~~ん!!!」と言っているのが聴こえます。 

2000秒というのが太鼓組が大会中に登場した時間という説も見かけましたが、自分で計測してみたところ大体1700秒くらいでした。許容範囲でしょうか。

この説を信用するならば、この歌詞は3人の活躍を大会本番で存分に見せつけたという意味になりますね。 なんかいい感じなので採用しましょう。(おい)

 

その魂を護る騎士となって

白銀ノエルさんが歌います。

ノエルさんは白銀聖騎士団の団長、ゆるふわ脳筋女騎士として有名です。

今回は相撲で全勝して、魂では無くチームの勝利を護ってくれました。

 

千の海を臨める舵となって

宝鐘マリンさんが歌います。

マリンさんは宝鐘海賊団の船長......になって宝を探すのが夢である、今はただの海賊コスプレ女ですが、ちゃんと海賊として扱ってもらえているようですね。

舵は船の進行方向を決める道具ですが、チーム内では主に会話の進行方向を決めてくれました。(いい方向とは言ってない)

 

高める意味は光采となって

鷹嶺ルイさんが歌います。「高める意味」と「たかねるい」で韻を踏んでいます*15

ホロライブ6期生と、最も歴が浅い中リーダーを務めた彼女でしたが、彼女の努力無くしてはチームメンバーの熱意を高めることは出来なかっただろうとマリンさんが語っていました。

ここでも「采」の字が使われています。「采」の字の意味としていろどりを上げたのはこのためです。

 

星々点るその場所で

ここは3人で歌います。 「星々点るその場所」は白星や黒星を決める相撲の本場所のことを指していると考えられます。

 

遊戯を以って 光を浴びて 互い繋いだ

情熱の 結実としての凱歌

2度目のサビです。 「勇気を持って」と「遊戯を以って」、「開花」と「凱歌」で韻を踏んでいます。 ゲーム大会を「遊戯」、優勝記念楽曲を勝利を祝う喜びの歌である「凱歌」と綺麗に言い換えています。これは拍手喝采ですね。采だけに。

 

(フレアマリンルイ) これからも支え合えるように

(いろはねねノエル) 明日にも向かい合えるように

(全員) あなたとの あらゆる瞬間が

        楽園のものとなるように

     願った花の歌

ここの歌詞分けは何か意味があるのかまだ分かっていません。分かったら追記します。

ここからはゲームでは遊べない部分ですね。ここからも非常に良いのでぜひフルバージョンを聴いてください。

 

(いろは) 手放しの運命はいつも 思い通り転がらない

(マリン) 笑えなくなる日がいつか 待っているかもしれない

(フレア) だからこそ私たちは みんなを見失わない

(ルイ)  例えば 奇跡のような幸運が不意に訪れても

(ねね)  運んでくれた何かがきっと そこにはあるはずなんだ

(ノエル) だから 一人一人違った思いを 持ち寄っては

(全員)  その正しさを 共に分かち合いたいと思うんだよ

低音が魅力的なパートです。

いろはさんが歌うパートは「手放し」「転がる」など、またサイコロを連想するワードが盛り込まれています。

譜面編にて「こじつけが苦しい」と言って軽く触れただけだったエンジェルナンバーですが、考察の不確実性が増すならそもそも言わなくて良くね?と思った方もいるかもしれません。

しかしここのルイさんとねねさんのパートを見ると、どうもエンジェルナンバー1177の「前向きに努力を続ければ、いずれ幸運が訪れる」と一致しているように思えて来てしまったので言及させていただきました。 まあそもそも無敵論法で書いてるんだけどな!

前の人の歌詞を受けて「だから」と続けるマリンフレアねねノエルの歌唱順ですが、ここも彼女たちに与えられた番号を思い出すとマリン(5)→フレア(2)、ねね(3)→ノエル(4)と、サイコロで向かい合う位置となっています。

 

(フレアノエルマリン) それぞれ違った心で 同じ期待を解り合い綴る

(ねねルイいろは)   それぞれ誓った所へ 同じ時代を語り合い進む

ここの分担は前半の3人がホロライブ3期生3人*16、後半が5期生+6期生*17となっています。

それぞれ違った心で」という歌詞は、ホロライブ好きならピンとくるかもしれませんが、ホロライブ初の公式楽曲であるShiny Smily Storyのすべてのサビに登場する歌詞です。

↓Shiny Smily Story

youtu.be

同じ期待を解り合い綴る」の部分はShiny Smily Storyのサビの「同じ未来を見ていたい」の部分と近い音程が使われています。 すると「同じ期待を」と「同じ未来を」で韻を踏むという曲を跨いでの韻踏みが行われている可能性もあるということです。すげ~。

5期生+6期生パートですが、母音が全て3期生側と一致しています。 青天の黎明といい、steμさんは韻を踏むのがめちゃくちゃ上手いです。

(三期生) それが六本の薔薇の言葉

(六期生) それが未知の冒険の理由

(ねね)  奇跡を呼ぶんだ あなたと

薔薇という花には本数ごとにも花言葉が付いており、6本の薔薇の花言葉は「お互いに敬い、愛し、分かち合いましょう」です。そういえば、一つ前のパートでも6人全員の歌唱パートの歌詞に「共に分かち合いたいと思うんだよ」とありましたね。

ここでねねさんのみ再びソロが入りますが、これは桃鈴ねねさんの活躍が起こした奇跡、感動を強調するためでしょう。 大会を見てきた人なら文句なしの采配です。采だけに。

 

(全員)矜持を保って 希望を胸に 戦い抜いた

情熱の 代弁としての賛歌

ラスサビです。 矜持(きょうじ)ですが、「自分の能力を信じて抱く誇り」という意味があります。自分たちを信じて最後まで挑戦したからこその勝利ということですね。

また、すべてのサビの歌詞の青く塗った部分に注目してください。最初のサビでは単に同胞の集まりという意味の「朋」であったのが最後には「友」となっています。

薔薇の芽が葉を付け花を咲かす歌詞の流れがあったように、「各」が「共」に戦い「朋」から「友」になる過程も書いていたということです。

また情熱という単語が全てのサビに登場しますが、赤い薔薇の花言葉は情熱です。

 

(マリンねね)  転んでも 笑い合えるように

(いろはルイ)  涙にも 立ち向かえるように

(ノエルフレア) みんなとの あらゆる瞬間が

(全員) 楽園そのものとなるように

素晴らしい未来になるように

誓った花の歌

ここはホロライブコラボで収録された日が同日の2人ずつで歌っています。そういう狙いで歌唱分けをしているかは分かりませんが。

前の同じメロディーのパートと比較すると、「明日にも」と「涙にも」で韻を踏んでいるほか、「あらゆる瞬間」を共有する相手が「あなた」から「みんな」に増え、「願う」から「誓う」と、意思がより強固なものになった印象を受けます。

最後には「素晴らしい未来」と、おそらく「す薔薇しい」を意識した歌詞が入ります。

 

これですべての歌詞を解説し終えました。

 

最後に曲のフル尺は5分8秒ですが、これも大会の開催日5月8日に合わせられていると考えられます。

steμさんはおそらく楽曲の制作が決まった時から、薔薇とサイコロから連想される内容をありったけ思い浮かべ、ホロGGW、メンバー、太鼓の達人つっぱり大相撲と繋がるようにマインドマップを繋げていき、一曲に成立させきったのでしょう。破綻せずに完成させきったその手腕は見事という他ありません。

 

以上になります。譜面、歌詞、曲調の拘りや元ネタについて、自分が分かっていること、考察したことはこれですべて語り切れました。 考察するたびに新たな発見があり、再びsteμさんの凄さを思い知ることとなりました。

ホロライブについてはホロGGWで太鼓をやるということでようやく見始めましたが、しっかりハマってしまいました。自分の好きなゲームをプレイしている配信者の方がいたら、試しに見てみると楽しいかもしれません。VTuberに抵抗がある、という方もいるかもしれませんが、まあ基本的には普通の配信者と大差無いので、配信を見るのが好きであれば意外とその壁は薄いかもですよ。

ホロライブについてはまだまだ初心者なので内容に至らぬ点があるかもしれません。粗があったら申し訳ございません。

今回はこれで〆とさせていただきます。このブログはあくまで個人の妄想なので悪しからず。それでは、おつカレーライス!

 

画像

*1:いわゆるホロメン。

*2:ゲーム配信を主な活動としている影響でしょうか、この手のゲーム大会では高水準になりがちです。

*3:実際の相撲では廻しを故意に外そうとすると反則負けとなりますのでご注意を。

*4:このジャケット、世界に10着ほどしか出回っていない激レアアイテムです。そのためこれを身に付けている女性がいたらホロライブメンバーのリアルの姿である可能性が高いという、VTuberの特性上危険な代物となっており、一部では身バレジャケットなどと呼ばれています。

*5:谷郷元昭さんの正しい苗字の読みは「たにごう」だが、大空スバルさんが誤って「やごう」と読んだことから誕生した愛称。

*6:トワチームだけチーム名が無く準備不足のように感じるかもしれませんが、そもそもチーム名を前もって決めていたのはスターアニマルのみで、モロダシだドン!は当日エントリー時、薔薇☆Diceは優勝が決まってから作られたチーム名です。 前もってチーム名を決めておくものだとばかり思っていた大空スバルさんは、他チームと練習試合をした際に「スターアニマルです!」と名乗ってもポカンとされた、といった裏話も存在します。

*7:一応言っておくと立つドンは関係がないです。あくまで実況がそう言っていただけです。

*8:一位は常闇トワさん

*9:しょうもないこだわりですが、左下に映っている実況担当の白上フブキさん、友人Aさん、春先のどかさんの全員を1回ずつ乗せるためにスクショのタイミングを調整しています

*10:HSとはハイ・スピードのこと。曲のBPMに対してHSの数字を掛けた速度で流れてくる。いわゆるソフラン

*11:ゲーム的配置について詳しく知りたい方は、こちらの公式記事をどうぞ→ https://taiko-ch.net/blog/?p=2072

*12:Beats Per Minuteの略。1分間に4分音符を何回刻む速度であるかを表す。ざっくり言うと曲のテンポを示す数字。

*13:それっぽい音の楽器を並べただけなので間違っている可能性があります

*14:実際のフラメンコでは薔薇を咥えることは無く、オペラのカルメンで舞台映えを意識してバラを咥えたところ、このイメージが広まったようです。

*15:韻を踏むとは、言葉の母音を合わせること。主にラップや歌詞でよく見られる。ここではどちらも「a-a-e-u-i」の韻踏みとなっている。

*16:ここに兎田ぺこらさんを足した4人でまとめてホロライブファンタジーと呼ぶ。3期以降同期でのユニットが存在するようになった。

*17:桃鈴ねねさんが5期生、風真いろはさんと鷹嶺ルイさんが6期生です。

【いくつ気付いた?】アニメば~じょん!で拾われた原作要素【太鼓アニメ1周年】

皆様、お疲れ様です。第1話が公開されてから早くも1年が経った太鼓の達人アニメ、皆様もお楽しみでしょうか。

Plott様が監修しているこちらのアニメですが、家庭用シリーズから満遍なくBGMを採用している点からも分かるようにかなり太鼓の達人シリーズへの作品愛を感じる出来となっており、キャラクターたちの設定に基づいた行動が繰り広げられることも多々あります。

今回は太鼓アニメ内で登場した公式設定などを確認していきたいと思います。太鼓のキャラクターについて、ちょっと詳しくなってもらえたら幸いです。

 

説明するキャラクター一覧

  • どんちゃん
  • かっちゃん
  • どん子
  • ちょうちんうなぎ
  • 水マリ子
  • 和田ミミズ
  • わたがし
  • たこやき
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【小話】6つの竜シリーズの共通点は○○なのかもしれない話【太鼓考察】

事前に言っておきます。この考察は間違っている可能性が高いですが、それでも許せる方のみ閲覧を続けてください。

 

皆様、お疲れ様です。 

最近の太鼓の達人で大きな話題となったのはやはり段位道場でしょうか。2022年度の人段位が幕を開け、SUPERNOVA(裏)の連打条件が異常に厳しい玄人、Behemothそして勇者は眠りにつく(裏)という普段のレベルからすると驚愕の難易度の2譜面が採用されてしまったと話題の名人、個人差大爆発の3曲が揃う賛否両論の超人、ついにダンガンノーツ(裏)が参戦し、トリに完全無告知だった竜シリーズ新作の神竜 ~Shinryu~(裏)が登場した達人...等々、連日連夜挑戦者たちの嘆きや歓喜で太鼓界隈が大いに盛り上がっているのを感じます。

私も2期連続となるハウス超人を目指していますがシングルもロール処理も実力が足りません。リズムさえ分かれば事故が格段に減る魑魅魍魎が優しく見えてきました。

P.S. 2023年4月3日、ハウスバチで2022超人に無事合格することができました。

自語りはほどほどにして今回の話題ですが、タイトルの通り竜シリーズについてになります。 神竜の登場によって、今までの竜シリーズに関連性が見えてきました。

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【プロの所業】steµさんの制作譜面が大量に判明、その実績をたどる【太鼓の達人】

導入

皆様、お疲れ様です。 

みなさんは、7月に放送されたバンナムサウンドチームがお送りする『SOUNDS ON!』第01回、ご覧になったでしょうか。

おそらく見ていない方が大半だと思うので*1 簡単に説明すると、バンナムサウンドチームにインタビューを行って楽曲やゲームについて深堀していくといった企画動画です。その第1回に太鼓の達人からマスブチさんとsteµさんが出演しお話をしてくださいました。

番組内では作曲や太鼓の達人のゲームシステムについてなど興味深い話が多々ありましたが、今回注目するのはsteµさんが作譜を担当した譜面についてです。steµさんが太鼓の達人サウンドにおけるこだわりを話した流れで公開されました。

まずはこちらの画像をご覧ください。

Dogbite」や「4+1のそれぞれの未来」など、企画で何度か譜面を作っていることは知っていましたが、まさかこれだけの数があるとは。予想外でした。

そこで、今回は判明した譜面のこだわりポイントを見つけつつ、steµさんの譜面制作の「癖」を探っていきたいと思います。

*1:太鼓の達人公式チャンネルなどではなく、バンナムスタジオサウンドチームのYouTubeアカウントで放送されたので、仕方がありません。

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