皆様お疲れ様です。今回は太鼓の達人の楽曲の一つの集大成ともいえるタイコロールについて、考察を交えながらまとめていきたいと思います。
はじめに
本記事ではこちらの公式が発信しているタイコロール誕生秘話を前提としています。気になる方はこちらもお読みください。
タイコロール誕生の経緯
タイコロールの制作をしようと持ち掛けたのは、バンダイナムコサウンドチーム最年少、steμさん*1です。
タイコロールのコンセプトは「これまでの太鼓の達人と、これからの太鼓の達人」
太鼓の達人を遊んでくれたプレイヤーに感謝を伝えつつ、新しい太鼓の達人にバトンをつなぐような曲を太鼓チーム全体で作りたいというsteμ氏の熱意の元、収録の約1年前から制作が始まったとのこと。
ほぼ同時期には、同じようなコンセプトの「コネクトカラーズ」の楽曲制作にもsteμ氏がサウンドディレクターとして関わったことが明らかになっています。
楽曲、譜面の特徴について
前の項目でも述べたように、この楽曲は太鼓チームが一体となって制作された楽曲となっています。
例えば、ギターを弾くのは「駆け抜けてゆく」の作曲者であり、「疾風怒濤」などの譜面制作でも知られるすえP氏、ドラムを叩くのは太鼓の達人のサウンドディレクターである増渕裕二氏です。さらにコーラスには「HARDCOREノ心得」の譜面制作でおなじみのえむけぴ氏をはじめとする制作メンバーが関わっているとのこと。
BPMは低速地帯が87.6、メインのパートは187.6、さらに最大コンボ数876と「バンナム」を意識したものになっています。
この曲のもう一つの大きな特徴といえば、過去の楽曲が譜面と一緒に引用されているところでしょう。コンセプトの「これまでの太鼓の達人」に当たる部分です。
うち6曲はグリーンVer.の段位道場外伝の課題曲として採用されており、合格時に獲得できる称号はタイコロールの歌詞の一部と、タイコロールの存在を収録前からほのめかしていました。
各色と楽曲は以下の通りです(個人的な考察も混じっています)。
1.はじまりは無色
無印Ver.のこと。引用されている楽曲は初音ミクの消失~劇場版~。
この楽曲は10周年を記念した楽曲なので、無印を象徴すると同時に、ナンバリング時代の旧筐体も表している可能性もあると思います。
2.色彩の広場を抜けて
KATSU-DON Ver.のこと。引用されている楽曲はFly away。
といいつつも、KATSU-DONVer.に色要素はなく、ドンだーひろばの実装も当然無印からなので、KATSU-DONVer.までの太鼓全体を示しているのかなと考えます。
3.空色の国と
引用されている楽曲はHurtling Boys。
「国」とは全国大会2013のことで、Hurtling Boysは決勝大会課題曲の一つ。
4.桃色の達人と
引用されている楽曲はそつおめしき。
そつおめしきの作曲者Kawagen Kollagen氏によると、この曲は太鼓の達人が世にでた年に生まれた子供たちが小学校を卒業するタイミングで制作された曲であるそう。
「達人」とは段位道場で初めて実装された段位「達人」のこと。
5.黄緑の祭と
引用されている楽曲はDay by Day!。 唯一タイコロールよりBPMが低い。
「祭」とはおそらく「天下一音ゲ祭」のこと。キミドリVer.で初めて開催された。
6.紫の世界と
引用されている楽曲は!!!カオスタイム!!!。引用が分かりづらい。
「世界」は世界大会2016のことだと思われますが、本格始動したのはホワイトからです。
7.白の神々と
引用されている楽曲はGloria。
「神々」とはこのバージョンから始動した「ゴッドコレクション」シリーズのこと。
8.赤の物語と
引用されている楽曲はVICTORIA。世界大会の三位決定戦の課題曲。*2
「物語」とは世界大会を通じてたくさんのエピソードが生まれたことを指すと考えられる。
9.黄色の友達と
引用されている楽曲はTaiko Drum Monster。
「友達」とはイエローVer.の二人プレイ新機能「いっしょにワイワイ演奏」のこと。*3
10.青の旅路と
引用されている楽曲はトイマチック☆パレード!!。
「旅路」とはブルーVer.限定モード「演奏バトルモード」のヒロイン、アミティとの冒険のこと。
11.そして緑のライバルと
引用されている楽曲はコネクトカラーズ。
「ライバル」とは「AIバトルモード」の対戦相手「AIどん」のこと。
最後に「太鼓をたたいてスタート!」とプレイ開始前のお決まりのセリフでここの引用パートは締めくくられます。
このパートでは各バージョンの歴史や楽曲を振り返っていることが分かります。ブログには過去に楽曲を提供してくださったアーティストの方々に連絡したと書かれてありましたが、引用するためだと考えればこれも納得です。
またこの部分では後ろでひっそりと選曲画面でジャンルを選んでいるときのBGMが流用されています。
さらに、消失の前にはよーいドン!の大音符の337拍子配置が引用されていて、これは歌詞の「挑戦へのエールを」にかけていると考えられます。
楽曲の最後にはモールス信号があり、これを変換すると「ありがとう」というメッセージとなります。
譜面の特徴ですが、星10でありながら基礎的な配置が多く、比較的平易な譜面であると言えるでしょう。
「いつかきっと、クリアしたい、フルコンボしたい」というコンセプトと、歌詞の「新たな星目指す 挑戦へのエールを」から、「一番最初に挑戦してほしい星10」という狙いの元作られたのかもしれません。
長くなってしまいましたが、これで前編を終わりにしたいと思います。
後編ではさらに曲名のコンセプトなどに触れていきます。
後編はこちら→