【太鼓考察】サイクル・オブ・リバースを考察、アルマゲどんの真の役割とは

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皆様、お疲れ様です。

先日太鼓の達人公式YouTubeチャンネルで公開されたナムオリDJ MIX#2、みなさんはもうご覧になられたでしょうか。

youtu.be

王道曲を集めた前回と打って変わって、メジャーマイナー気にせずチョイスされた高BPMの選曲チョイスは、前回よりもマニアックな層にも刺さるのではないでしょうか。

曲のつなぎ方にもBPM上振れ調整、被せとフェードアウト、ディレイ、リバーブなどのテクニックを散りばめており、見事なプレイでした。これAIがやってるんですよね...

さて、このDJMIXでラストを務めた楽曲は「サイクル・オブ・リバース」でした。

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注目するべき点は、英語の曲名です。

 

Cycle of "Rebirth"

 

多くのドンだーが公式英訳が判明するまで"reverse"であると思っていたのではないでしょうか。*1

今回は曲名の意味が判明したところで、アルマゲどんについて考察をしていこうと思います。 Cycle of Rebirth、再生のサイクル。そこに込められた意味とはいったい何なのでしょうか。

 

前提の確認

まず大前提として、ラスボスの課題曲はそのボスに何らかの関連を持った曲名を付けられる点についてご理解いただきたいです。

「マオウのショウタイム」はまさにマオウのテーマソングですし、「地獄の大王」「闇の魂」などはボスの特徴を端的に表しています。

例外は2000シリーズではないということを伝える曲名である「≠MM」くらいでしょうか。

ラスボスの課題曲は既存曲ではなく新たに書き下ろされるので、当たり前と言えば当たり前です。

逆に言えば、アルマゲどんの課題曲であるサイクル・オブ・リバースもアルマゲどんに何か関係のある曲名であると考えることができます。

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*2

アルマゲドンの意味を確認

アルマゲドン(Armageddon)とは、アブラハムの宗教において、世界の終末における最終決戦の地として知られており、世界の破滅そのものを指すこともあります。

実際シナリオにおいてアルマゲどんはラスボスであり、「最終決戦の地」という意味にマッチしています。

 

アルマゲどんが地球に来た経緯を振り返る

アルマゲどんが落ちてきた経緯を知るために、PSPDXのストーリーを振り返ってみましょう。

ぽたでらの物語は、みこちゃんの道場をおみこしバトルの実力を見せつけることで復興するというものでした。

彼女の父親は全国の太鼓道場を治めるほどの実力者でしたが、ある日消息を絶ってしまい、道場主を失った結果、全国の道場支部はみこちゃんの道場から離れ、さらに何者かの闇の力で操られてしまいます。 

どんちゃんのもつ強いドン魂の力を込めた演奏をもっておみこしバトルに勝つことで、全国各地の道場主たちを闇の力から祓うことができましたが、闇のエネルギーはどんちゃんに徐々に蓄積してゆき...

そしてこの騒動の原因を作ったのが、ガッツ・イーター星からやってきた今作の悪役である「女王ガッツ・イーテル」です。 彼女はドン魂という格別なエネルギーを腐らせて食べることが目的でした。

ここでいう「腐る」とは、食べるために「邪気を振りまいた」設定、登場キャラクターの「歪んだエネルギー」「悪いエネルギー」などの発言から、文字通りの意味ではなく「性根が腐っている」といった慣用句的な意味合いであると考えられます。

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女王の計画は用意周到であり、闇のエネルギーに操られた者を助けなければ順当にそのエネルギーを食べ、何者かの強い魂によって闇のエネルギーが祓われた場合は、その祓ったものにエネルギーが移り、その強大な魂を歪めようとします。勝ち残った者がより強く歪む様はまるで蟲毒を想起させます。

主人公側の奮闘にタダ乗りして利益を得ようとする様は、すべての龍脈を封じ込め、オーパーツが6つ揃ったところを狙ったミステリーアドベンチャーの「デボラ」や、薙ぎ払ったモンスターの力が宿った剣をアミティから奪おうとした演奏バトルモードの「竜王」に似た狡猾さです。

また、地球をひとつのお気に入りのカフェくらいの認識でしか見ておらず、人間も下等生物としか見ていません。

残忍さも太鼓の達人シリーズ屈指です。全国の道場を統べるほどの強いドン魂を持つみこちゃんの父親*3のエネルギーを歪ませようとしたが、抵抗をやめないため、なんと殺して食ってしまいます。 これ全年齢対象ゲームですよね?

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そんな女王でしたが、どんちゃんによって全国の道場にバラまいた闇の力はすべて取り除かれ、どんちゃんの魂を歪めようとしたエネルギーもドン魂に破れ、ついには女王自身が戦いに臨むも敗北してしまいます。

計画が失敗した女王は、「もう、こんな星、要らないわさ」と言ってアルマゲどんを呼び寄せ、最終手段としてついに地球に落とそうとしたというわけです。

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女王の最終手段として呼ばれた巨大な隕石、アルマゲどん。 太鼓の達人のストーリーではなぜか世界が終わるレベルの危機が何度も襲来しているため、アルマゲどんが落ちたらおそらく地球は滅亡の危機に瀕することでしょう。

 

ここまで見てきて、語源とストーリーでの扱い、その両方においてアルマゲどんは「破壊」をイメージするばかりで、「再生」とは程遠い印象です。

 

アルマゲどんの真の役割は「リセット」?

ここからが主な考察となります。

アルマゲどんはその設定に「破壊」を、持ち曲に「再生」の意味を込められた存在です。 この2単語は一見対立しているように見えますが、ここで曲名を思い出します。

「再生」とは損傷を受けたりエネルギーをを失ったりといった「破壊」がなくしては起りえない事象です。

この一連の再生の流れ、すなわち「Cycle of Rebirth」を引き起こすことこそがアルマゲどんの真の役割なのではないでしょうか。

つまりアルマゲどんは自身が落下した星を尽く破壊し、生命体を終わらせにかかりますが、その一方で破壊を乗り越え力強く復活する生命体の誕生を期待する、いわば「生と死の管理者」のような立ち位置であってもおかしくはないと考察します。

今存在している星と命を一度「リセット」する、といえば端的で分かりやすいでしょうか。

サイクル・オブ・リバースの歌詞もどことなく絶望から立ち上がる様を描いているように思えます。*4

 

ガッツ・イーテルの本当の狙いは別にあった?

本当にアルマゲどんにそのような設定があるかは妄想の域を出ませんが、星を自分の自由で食い物にでき、実際に自分の星を食らい尽くした実績のあるガッツ・イーテルの切り札として呼び出されているため、「それくらいできそう」と感じさせる凄味があります。

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先に述べたように、ガッツ・イーテルの作戦はかなり緻密に練られています。 そんな彼女が本当にただ一度敗北を喫しただけで地球を捨てるでしょうか。*5

推測が当たっているとするならば、サイクルオブリバースを促すことも彼女の計画のうちであると考えることもできると思います。 自分に歯向かう星の生命体に大ダメージを与えることで、次の侵略につなげるという算段です。次に侵略するときには脅威が死んでおり侵略が楽になっているかもしれませんし、壊滅した星で立ち上がる生命体がいたならば、その生命体は困難の中立ち上がった強い魂を持っているはずです。それはまさに彼女の求めるものです。

 

おまけ

最後に面白い説を2つほど紹介して終わろうと思います。

1つはサイクル・オブ・リバースは歌詞の中で演奏画面を表現しているという説です。

  • 魂よ燃え上がれ→魂ゲージに到達して炎が出ている状態
  • 光のベール 覆って→入魂して光るどんちゃん
  • 希望の炎 纏って→ゴーゴータイムの演出

という具合です。

もう1つは「アルマゲどんかっちゃんの魂説」です。

主役になれないかっちゃんの恨みが具現化した姿という説ですが、アルマゲどんがどんちゃんに似ていること、オジャマ攻撃の隕石に水マリ子がおり、水マリ子はかつのことが好きであることから正体を示唆しているという説です。 確かにそうだったら面白いです。

 

以上になります。 ぽーたぶるDXは、内容や設定が大人向けと銘打たれたVバージョンに引けを取らないダークさで、このように考察の余地もある面白い作品です。 かつてはPS4が登場するまでDLCを含む楽曲数が1番だったことからも分かるように、豊富なDLCでドンだーからの人気も非常に高かった作品です。

今はDLCのダウンロードは終了してしまいましたが、初音ミクの激唱やMAGICAL SOUND SHOWERといった人気曲は初期曲で収録されているので、遊ぶ価値は十分にあるかなと思います。 PSPをお持ちの方は一度プレイしてみてはいかがでしょうか。

あくまで妄想なので悪しからず。それではこれで〆とさせていただきます。ここまで読んでくださりありがとうございました! おつカレーライス!

*1:実際、これについてツイートしたところ、多くの方からの反応をいただきました。

*2:マオウとワルルー以外の切り抜きがめちゃくちゃめんどくさかったのでちょっと雑です

*3:おみこし王と言う名前のようです。

*4:そのため、単純にアルマゲどんが落ちてくる絶望的な状況で折れずに戦うどんちゃんたちを応援するだけの曲である可能性も捨てきれないわけですが。

*5:「お気に入りのカフェの一つにすぎない」という発言があるので、気に入らなくなったらスパッと関係を断つ可能性ももちろんあります。